内容説明
城下の掘割で若い女の幽霊を見たという普請方の男が、まもなく病で死んだ。女の姿を見た者は必ず死ぬという噂が囁かれる折、お家騒動が持ち上がり家老が闇討ちされた。怖がりで純情な甚十郎と酒と怪談を愛する浪人・平松左門が、闇に溶け込んだ真実を暴く痛快時代活劇!第38回メフィスト賞受賞作。
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年東京都生まれ。明治大学卒業。『掘割で笑う女―浪人左門あやかし指南』(講談社ノベルス)で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
70
これまでに読んだ作品に共通して言える事であるが、怪談小ネタを沢山投入して、そしてその一見繋がりがなさそうな怪談を物語として一つに纏めてみせ、最後にはミステリーに昇華させる…その原点がここにありました。さて、四巻の解説に指南を受けて4・3・2・1と逆さまに読み進めて来ましたので後は霊を待つだけ(笑)2015/10/08
くりきんとん99
45
皆塵堂シリーズでお気に入りになった作家さん。他の方に勧められて、このシリーズにも挑戦。表紙も怖いし、読み始めもいきなり怪談話で、私は何故この寒い時期にこんな本を!?と後悔したけど、そんな後悔も読み続けると吹き飛んだ。読後感もよく、満足の1作。2013/11/13
ゆみねこ
39
輪渡さんのデビュー作。シリーズの3~4を先に読了してからこちらへ。やはりデビュー作というせいなのか、やや文章が堅くて読み進めにくい感あり。でも甚十郎の国元のきな臭い暗殺にまつわる謎や、平松左門の人となりが何となく理解できたので良かった。このシリーズはここで止めたら損ですね。先を読まないと勿体ないです。2014/02/04
キラ@道北民
22
デビュー作。シリーズ第1弾。シリーズ3、4作目から読んでしまったので、ここから始まったのかと感慨深い。登場人物も多く、怪談話も小出しに盛り沢山で、みなさんが書かれているようにちょっと読みづらいかもしれないけど、シリーズが進むとどんどん読みやすくなります。ここで投げ出さず、是非とも次作を読んで欲しい!2016/07/08
にこ
22
第38回メフィスト賞受賞作品。今まで何となく怖そうで手にしなかったのですが、さすが面白かったです。怪談の裏に潜んだ真実。真実があるのかと思いきや、それは本物でしょうなどというぞっとする話もあり、1度読んだ後ですぐに読み返しました。人間関係を把握してから読むと更に面白い。2014/09/27
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