内容説明
お祭り騒ぎは、もうお終い。今回は愛をめぐる三つの物語だ。暗澹たる日々に埋もれた無様な青年。悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。密室状況の屋敷の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。それらは歪んでいて、壊れていて、間違っている。でも確かに愛の物語なのだ。俺は行動を開始した。その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。そして、その果てに浮かび上がる真相。そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。
著者等紹介
佐藤友哉[サトウユウヤ]
1980年生まれ。北海道在住。高校卒業後、社会に出たり出なかったり。2001年『フリッカー式鏡公彦にうってつけの殺人』にて第二十一回メフィスト賞を受賞、大塚英志と法月綸太郎の熱賛を浴び、90年代に十代のすべてを消費したいちばんはじての作家としてデビューする
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チアモン
55
3つの話が平行で進んで行く。おうっ。騙された。現在、過去、未来ね。文体は相変わらず読みにくいが、どうにか読み切った。みんな狂ってる。ラストで伏線が繋がって行くのには感動。少し間を置いてからまた佐藤氏の作品を読もう。ふうっ。ちょっと疲れた。2019/10/23
サイバーパンツ
12
きみとぼくの綺麗なセカイを守るために、世界の悪意と戦う悲劇のヒーロー面をしていた僕の、セカイ系主人公の加害者性を、ズタズタに切り裂かれ葬られた過去や記憶を、全部まとめて水の底から引き戻す鏡創士の話。バラバラに散らばった3つの物語のミステリ的な収束のさせ方も、自意識ダダ漏れな文章も、前二作から段違いにレベルアップしており、とにかくめちゃくちゃに面白かったが、理解できなかったところも多いのでいつか再読したい。2018/06/01
きゅーま
7
広明の世界が破壊されるまでの過程と、破壊され葬られたもの全てをを引き揚げようとする鏡創士のストーリー。今まで以上に予測出来ない展開でしたが、いつも以上に陰欝な展開でもあり、なんとも言えない読後感を味わっております… 個人的には創士さんの人間らしい側面が見れてちょっと面白かったです。2011/03/10
custom
5
鏡家サーガをここまで3冊読んだけど、三者三様にイカレてるところがすごいと思う。バリエーション的な意味で。多分、もう一回読み直したらいろいろなことが繋がるような気がするけど、ちょっときついなぁ。またいずれ。2010/10/29
とことこ
4
もうね、最後の最後でまた???ってなっちゃった。折角最後にうまくまとまったと思ったのにー。でも鏡家の兄妹ってほんとぶっ飛んでますな。創士の登場がいつ?って思いながら読んでた。しかしそういう構成のお話だったとはやられたって感じ。2010/11/20
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