講談社学術文庫
戦後責任論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597044
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0120

内容説明

中国・重慶での反日暴動、従軍慰安婦を巡る諸問題など、ある日突然、亡霊のように甦る戦争の記憶。冷戦構造が崩れて直面したアジアの戦争被害者の声に、日本はどのように応答すべきか。ユダヤ人大量虐殺を否定する歴史修正主義や、台頭する新たなナショナリズムを鋭く批判し、アジアの民衆との信頼関係回復のため戦争責任を問い続ける俊秀の力作。

目次

1 戦後責任を問い直す(「戦後責任」再考;記憶・亡霊・アナクロニズム;ジャッジメントの問題)
2 ネオナショナリズム批判(日本のネオナショナリズム(自由主義史観を批判する;加藤典洋氏「敗戦後論」を批判する)ネオナショナリズムと「慰安婦」問題)
3 私たちと他者たち(汚辱の記憶をめぐって;哀悼をめぐる会話;日の丸・君が代から象徴天皇制へ)

著者等紹介

高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年、福島県生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス科卒。同大学大学院哲学専攻博士課程単位取得。専攻は哲学。東京大学大学院総合文化研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てつのすけ

16
想像した内容とは異なり、哲学的で難解だった。そのため、一読しただけでは理解できなかった。2023/12/06

Satoshi

9
新しい教科書の会などが台頭してきた99年に書かれた戦争責任論。哲学者として、戦争礼賛派を批判しているが、最も私に刺さったのは「従軍慰安婦否定派は被害女性は嘘つきとし、加害者を含めた証言の一部を切り取り、事実だと主張している」とのフレーズだった。あとは同じ主張の繰り返しにみえ、少し退屈だった。2021/07/30

ネムル

8
似たような論旨が延々続いて、まずひとつの書物として退屈なのと、あと加藤典洋との論争がちぐはぐなのとで、正直徒労感しか感じない。歴史に耳をすませて、頭を垂れる……てのはまあともかく、首肯出来る者には高橋の論旨はややはぼったく、歴史修正主義者には屁のような意見でしかないのではなかろうか。と、歴史を扱う難しさを感じたが、この店は綿野恵太の著書に少し期待して続く。2019/08/25

ころこ

8
著者の哲学者としての姿勢で疑問を持ったことが二つありました。まず一つ目は、著者の理論的足場とされる近代ヨーロッパ哲学の系譜は、近代国民国家およびナショナリズムとともにしか考えられないという点です。本書の幾つかの議論で、著者は迷うことなくその用語と理論を開陳してみせますが、非ヨーロッパである日本に当てはめたときの納まりの悪さや、言い切った時の居心地の悪さは感じなかったのでしょうか。古今日本の多くの哲学者思想家がその問題に立ち止まり、中でも柄谷行人はそのことを追いかけている仕事といっても良かったほどです。つま2017/08/13

void

4
【★★★☆☆】原著'99年。前国家的・超国家的・自然法的な、コミュニケーションの、正義の次元にある応答可能性としての責任と、政治的・法的責任の二元論構成。前者は特に「ホロコーストはなかった」「満州大虐殺・従軍慰安婦」はなかったといった否定論に対抗する形。政治的法的責任の主な根拠は、その国家の国籍をもつことから利益を享受している事実とその権利から。 前者の倫理性と後者の実効性との距離が埋まらない。2013/10/06

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