講談社学術文庫
コンスタンチノープル征服記―第四回十字軍

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596092
  • NDC分類 230.45
  • Cコード C0122

内容説明

帝都の侵寇、帝位簒奪、財宝の強奪、不知と内争。聖地エルサレムをめざした十字軍は、一転、方向転換、一体、何故コンスタンチノープルを攻略したのだろうか。ビザンチン亡命皇子の怨念、ヴェネチアの富への野心。さまざまな思わくが渦巻く悪名高き第四回十字軍。戦局の一進一退、遠征軍のおぞましい所業の一部始終を生き生きと描く、フランス文学黎明期の散文学の傑作。

著者等紹介

伊藤敏樹[イトウトシキ]
1941年、名古屋市生まれ。1964年3月東京外国語大学フランス語科卒業。会社勤務を経て66年名古屋大学大学院修士課程に入学、68年修了、同大学院博士課程に在籍中フランス政府給費留学生試験に合格。69年10月よりパリ・ソルボンヌ大学第3期博士課程、74年学位取得。パリ大学東洋語学部日本語講師を1年間つとめた後帰国、現在、日本大学商学部教授。フランス中世文学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホームズ

15
第4回十字軍側から書かれた物なので内容はだいぶ偏っている。神のため神に許されてやってる事で自分達は正義という感じなので正確な記録ではないらしい。寄せ集めの軍隊だからバラバラだし資金は無いし目的見失ってコンスタンチノープルを征服してしまってからラテン帝国建国、ワラキア王国との戦いなど色々知らない内容が読めるのは嬉しいかな。2012/11/09

鐵太郎

6
ジョフロワ・ド・ヴィルアルドゥワンとは、シャンパーニュ伯アンリのマレシャル(家老職)。十字軍に参加した武人。この本は、彼の目から見た、のちに醜悪と評された第4次十字軍の顛末です。この本で、歴史的事実及び経済的・政治的な要因に注目して、枕詞のような美辞麗句をはぎ取ったら、その下に出てくるものはなにか。その丁寧な筆致の中から浮かび上がる、打算、怯懦、建前と本音、虚栄心、利害対立。そして運命。そしてたくまざるユーモア。これは意図したものなのか。こんな歴史の記録も、面白い。2008/05/25

中島直人

6
真面目で誠実な作者、ヴィルアルドゥアンの嘆きが聞こえてきそうな苦難の連続の十字軍行。特に深い洞察も分析もなく、ひたすら事件、事故が、作者の主観的印象を加えながら、延々と語られていく。2014/03/06

千瑞

3
「悪名高い」第4次十字軍に従軍した、シャンパーニュ伯の臣下ジョフロワ・ド・ヴィルアルドゥアンによる遠征記です。十字軍遠征そのもののみでなく、ヴェネツィアとの交渉開始から書かれているので、十字軍が当初の目的を逸れてしまった経緯がわかります。しかしながら解題にもある通り、これは遠征の一部を特定の視点から描写したに過ぎません。出来ればもっと別の立場の人物の記録も併せて読みたいです。面白かったです。絶版だなんて……。2013/04/17

リッチー。

3
第四回十字軍の幹部による自伝。ヴェネツィアに唆され同じキリスト教国を攻め滅ぼした悪名高い十字軍だけど、著者は当然悪びれていない。史料としては偏っているけど、当時の人による記録なのでこの時代好きにはオススメの一冊。 2012/02/05

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