内容説明
『正法眼蔵』は人間の在りようを探究した宗教書であり、また、「道理」を追求した中世文学の最高傑作でもある。人間の真の生き方を求め、ただひたすら修行に没頭した菩提達磨・普賢大師・天童和尚ら古の仏者たち。道元は、その行状を力強い輝く文章で生き生きと再現し、行持の行持たるゆえんを深く高く思索してゆく。中世文学の泰斗が読み解く、道元の語る修行の本質。
目次
菩提達磨章(真丹初祖の西来東土は、般若多羅尊者の教勅なり)
神光慧可章(真丹第二祖、大祖、正宗普覚大師は)
石頭希遷章(石頭大師は、草庵を大石にむすびて、石上に坐禅す)
大医道信章(第三十一祖、大医禅師は、十四歳のそのかみ、三祖大師をみしより)
長慶慧稜章(長慶の慧稜和尚は、雪峯下の尊宿なり)
芙蓉道楷章(芙蓉山の楷祖、もはら、行持見成の本源なり)
後馬祖道一章(洪州江西開元寺大寂禅師、諱道一、漢州十方県の人なり)
大満弘忍章(第三十二祖、大満禅師は、黄梅人なり)
天道如浄章(先師、天童和尚は、越上人事なり)
行持の総括(しづかにおもふべし。一生、いくばくにあらず)〔ほか〕
著者等紹介
安良岡康作[ヤスラオカコウサク]
1917(大正6)年、埼玉県熊谷市生まれ。1940年東京帝国大学文学部国文学科卒業。日本中世文学・国語教育専攻。元東京学芸大学教授。2001年10月死去
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