内容説明
本書は現存する五国風土記のうち、唯一の完本で、古代出雲の人々の暮らしのさま、土地の状況などを、数値も入れた整然たる構成で記載している。その一方で、出雲の神の国引きや、支佐加比売命の暗黒の岩窟での出産などの神話も詳細に語られ、数理的合理性と奇妙に共存している。興趣あふれる貴重な古典の全訳注。原文も収録。
目次
1 総記
2 各郡(意宇郡;島根郡;秋鹿郡;楯縫郡;出雲郡;神門郡;飯石郡;仁多郡;大原郡)
3 巻末記
感想・レビュー
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30
**日本史論**神話・天皇ネタの小説読解の為読了。本書は現存する五国風土記の唯一の完本。古代出雲の人々の暮らし、土地の状況などを数値も入れた整然たる構成で記載。その一方で、出雲の神の国引きなどの神話も詳細に語られる。(紹介文・他より)――出雲国風土記や古事記、日本書紀に限らず全ての史書には、ある側面性が必ずあります。それは、時の権力者が自分の都合を必ず盛り込み、編纂、加工、修正、最悪の場合は敵対国・人物の歴史的抹消、そして強引な辻褄合わせ等、が往々にして行われるということ・・・。 ⇒続き2013/08/13
壱萬参仟縁
22
書き下し文(ルビ付)→現代語訳→注→解説。 原文→解説が巻末にある構成。 素人だから、現代語訳と解説が頼り。 セクハラではないが、解説では、 鋤の大きさには若い女性の胸を思わせ、 豊かな実りと健康な生命力をあがめ 求めていたと推察する(40頁)。 出雲国は他国よりも地名と神々の 結びつきが強く、神々の種類も 豊富という(56頁)。 現代の東京一極集中は大いに反省すべき点。 温泉がリフレッシュ効果を期待され 好まれたのは、古代からの伝統(63頁)。 2014/05/23
テツ
13
かなり年上の友人から借りて初読。古事記のように古の日本におわした神々の活躍を描いた物語ではなく文字通り『出雲国の風土記』であり出雲国について書かれた当時の行政文書としての意味合いが大きい。物語を楽しもうと期待すると裏切られるので御注意を。それさえ理解していれば訳注も解説も丁寧で当時の出雲国と大和朝廷とのギスギスした関係等も説明してくれていて読み物としてとても面白い。水木しげるも言っていたけれど出雲ってやっぱり何となく古代からの力が凝っている土地な気がするな。読んでいたら出雲まで一人旅に行きたくなりました。2016/05/09
おの
10
出雲に行って読みたくなり購入。一般人が読めるようになった現代ありがたい…!注釈がとてもよくて、何度も再読したい。2024/11/24
phmchb
10
書店で見つけて買った本。古事記に出雲の話との関連で。中身は出雲を紹介する行政文書です。原文(漢文)付き2015/02/05