講談社学術文庫<br> 古道―古代日本人がたどったかもしかみちをさぐる

講談社学術文庫
古道―古代日本人がたどったかもしかみちをさぐる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061593756
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0121

内容説明

人の歩行が途絶えると道はたちまち藪に埋れてしまう。しかし人々は、祭祀の道具や生活の跡をみちばたに残していった。さらに古い道は、食物を拾い、カモシカやイノシシの後を追った跡に重なる。消えた古道を発掘し、人々の生きた証しをたどるロマンあふれる藤森考古学の傑作。

目次

灰の中のオアシス
黒耀石槍の狩人
ルング・ワンダルング
草原の放浪者
人喰い沼
雑木林への道
林と村
ヒスイと黒耀石の道
塩水から淡水へ
石の斧と木の鍬〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

48
著者は在野の考古学者。今や常識となった縄文農耕説を、戦後直後に唱えたことで知られる藤森考古学の、大胆な仮説が至る所で展開される。古道といっても中世以降の街道など復元可能な平野の道は、自分の考える余地はないとし、前半部は古くはマンモスの道、旧石器時代の"しかみち"から古墳時代の帰化人の道まで、もう失われた古代の道を探る。遺跡の分布から古代のネットワークが浮かび上がる。道を導きの糸にした古代史だ。類書と違うのは、マクロに眺めるのではなく、具体の土地に即して古代を蘇えらせる。その姿は鮮やかだ。それだけではない。2015/09/28

yuma6287

12
長野への憧憬を掻き立てられる一冊。親しみやすい文章で、旧石器時代から明治時代まで、長野県や出土品を中心に古道を構築し、忘れ去られた人々に思いを馳せる。牧秀悟、土屋圭市、佐久長聖。この程度の長野県観に対して、古代日本人の坩堝としてのイメージが加わり、長野県へ行く理由が増えた。また、発刊から57年経過した今、古代日本史はどう変化したのか興味を持った。講談社学術文庫はこれで2冊目。かの文庫への抵抗が逓減する事を期待する。本著は図書館の推薦棚で見つけたものである。図書館への感謝の言葉を述べたい。2023/08/02

misui

9
今は消えてしまった古代の道でも残された遺物から再現することができる。そこに生きた人々の姿も。象を追いかけていた石器時代から始まり、縄文、弥生、古墳…と古代のネットワークとともに民族の発展を描き出し、歴史という大きな道の途上で消えていった人々に思いを馳せる。叙情と実証的な態度が混在した筆致で読みものとして抜群に面白い。考古学の楽しさがぎゅっと詰まってる。2016/04/18

Junko Yamamoto

5
ただのエッセイと思っていたら大間違いだった。。 時代と地域を横断し学術的な内容が充実、かつ広く深く行き交った人々の思いも溢れている。2019/02/09

宮崎太郎(たろう屋)

4
地元の友人で埋もれた古い峠道や先人の道を歩き直して当時のその姿に触れようとしている人がいて、その人に触発されて読み始めた一冊。戦前から活躍されている方なのに言葉が柔らかくまるで今書かれた文章のよう。住んでいる南信州の場所や地名、道の成り立ちとそこを歩いた人の息づかいがたくさん聞こえてきて、面白くて読んでいるあいだはとても幸せな気分でした。人というものが大好きな著者なのだと思いました。2020/10/21

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