講談社学術文庫<br> プリニウス書簡集―ローマ帝国一貴紳の生活と信条

講談社学術文庫
プリニウス書簡集―ローマ帝国一貴紳の生活と信条

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  • サイズ 文庫判/ページ数 479p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061593671
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0122

内容説明

二千年前、ローマは爛熟と頽廃を内に孕みつつなお、地中海の覇者として君臨した。その陰に祖国の未来を疑わず、人間の崇高性を信じ続けた貴紳達がいた。本書はその一人プリニウスの二百余通の手紙を所収。ベスビオス火山と大プリニウスの死の記述など、史料的価値と同時に時空を超えて深い共感を呼ぶ。名訳で読む清冽な書簡集。

目次


本の出版
後輩を励ます
家族の者
レグルス論
狩猟
都の生活
エウプラテス讃
手紙の請求
コレッリウスの訃〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

有沢翔治@文芸同人誌配布中

8
 博物学者、大プリニウスは博物学者として有名であるが、甥の小プリニウスもまた文人として有名である。彼は弁論家、詩人であるとともに、属州知事としてトラヤヌス帝に仕えていた。彼はベスビオ火山の噴火などを書簡に綴っているとともに、文学談義をタキトゥスなどとも行なっている。 https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51530109.html2023/07/06

氷菓子

6
1世紀終盤から2世紀初めにローマの高官を務めた小プリニウスの書簡集。友人達への好意溢れる文や、若者の教育に尽力するところ、属州総督時の罪人への寛容な姿勢など、好人物な人柄がにじみ出ている。手紙中に有名文学からの引用が多数あって、教養を磨くために勉強に励んでいたことが伺えるし、自らも執筆している。後世に自分の名前が残ることを切実に願っているので、2000年後まで残っている稀有な人ですよと本人に教えてあげたい。ヴェスピオ火山の噴火時を記した手紙に絶大な価値が生じるとは思ってなかっただろうな。2023/03/31

Hotspur

3
今まで知らなかったローマの日々の生活の中でのしきたり、流行、慣行がいろいろと興味深い。例えば「朗読会」「遺産狩人」など。この本を有名にしているのはやはりヴェスビオ山の噴火と大プリニウスの死だが、他にもアテナイや北アフリカでの幽霊話を嬉々と伝える書簡や、『同時代史』執筆中のタキトゥスに自分の話を載せるよう頼む書簡など、読んでいて楽しい。トラヤヌス帝への書簡は細かい相談が多く、プリアヌスの人柄が窺える。2019/11/10

barbarus

0
上流ローマ市民の標本。レグルス氏への憎しみっぷりにニヤリ。2015/12/13

鷹箸

0
ローマ人の物語のティトゥス巻とトライアヌス巻に登場した、小プリニウス氏が書いた手紙集。本当に手紙なので二千年前の世俗がよくわかる。二千年前の手紙が残っていて読めるって、ローマ帝国はすごい文明だったんだなと改めて実感。プリニウスは面倒見も人柄も仕事ぶりも良くて、私は好きです。2014/05/06

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