講談社学術文庫<br> フィレンツェ名門貴族の処世術―リコルディ

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講談社学術文庫
フィレンツェ名門貴族の処世術―リコルディ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061593312
  • NDC分類 974
  • Cコード C0122

内容説明

メディチ家とも親交があり、有能な政治家や大使を輩出した名門に生まれたグィッチャルディーニ。二十八歳でフィレンツェ共和国のスペイン大使になり、共和国崩壊後はメディチ家出身の教皇に仕えて教会領行政官として活躍。動乱のルネサンス・イタリアを常に敵に囲まれながら生き抜き、その体験を子孫に書き残した。冷静な目で人間の真実を赤裸々に描いた本書は、現代に通ずる貴重な処世の書といえる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

59
マキアヴェリの破天荒な書の後にこの処世術を読むと少し物足りない感じ、それも延々と続くので食傷気味に。それでも子孫に読ませることを目的としたというノートだからこその本音が垣間見れる。例えば教皇庁にも仕えた身でありながらキリスト教を異教と同列視し信仰を説く修道士への罵声も放つ。訳者の解説は身を乗り出してしまいたくなる講談風。「激烈な転換期と人生の浮沈」を熱く語り当方の読み方も変わる。“未来はあてにならない”との言が悲嘆の言葉だったとか。ラファエロと同じ1483年生まれでもあるのに芸術への言及一切無くて不思議。2021/06/27

9
ルネサンス時代、フィレンツェの重臣として、権謀術数の多いシビアで不安定な政治情勢を生き抜いて得た、実践的な教訓や知恵の断続的な覚え書。内容は政治、経済、宗教、生活、対人関係など多岐に渡ります。ありのまま人の本質や社会の問題点を冷静に見つめ、その対処方法を模索した経験に基づき記していて、どこまでも現実的。彼自身はペシミストに近いと自認していますが、悲観主義ではなく、例えばロシュフコーのような辛辣さもありません。グイッチャルデーニは、人や物事を多面的にとらえる洞察力やバランス感覚の優れた人、という印象です。2014/04/30

てれまこし

7
著者はフィレンツェ名門一族の出身でメディチ家の教皇庁に仕え教皇軍司令官や教皇領代官を勤めた。マキァヴェッリと同時代人(14歳年下)でよく比較される。NMにあってFGにないのは祖国愛の情熱で、NM以上にマキァヴェリアンなところがある。本書が公刊された19世紀のイタリア統一運動においては、それゆえに悪魔的思想家とされていたNMが愛国者になり、歴史家として高く評価されてきたFGは二枚舌の卑怯者にされたらしい。抗いがたい運命への抵抗を諦めて、シニカルに何とか一族の利益だけを守るだけに堕落した世代とされちゃった。2024/04/01

Fumoh

5
ルネサンス時代、フィレンツェと教皇庁において重要な政治家であったグィッチャルディーニの処世術の「断章=リコルディ」です。元々は刊行を目的としたものではなく、一族に残した覚書でした。19世紀になってようやく刊行されました。しかし内容は非常に整然としていて、刊行が目的ではなかったとは容易には信じがたいです。グィッチャルディーニは「経験主義者」として自認しており、「処世術においては全てを片付けることのできる一つの真理などというのは存在しない」と割り切っています。しかしこれについては同意です。また、内容を見るに2025/03/21

のら

3
読者に優しい本。書いてあることは辛辣だが、刊行を意図しない著者の手記という点において、ポディショントーク的な要素は限りなく少ない。ゆえにマキャベリズムを体現した人物の行動原則に、生に触れることができる。綺麗事、一切なし。人間関係で損ばかりしている人は、ぜひご一読をば2015/11/28

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