内容説明
昭和期の戦前・戦中期の日本の政治・社会をその深部から解明するために、この時代を中心的に動かした軍部、とりわけ陸軍を構造的に分析。著者はまず日本ファシズム論についての素朴な疑問から出発、陸軍の中枢部でのエリート派閥抗争を概観し、また昭和陸軍の原型に迫る。さらに、近代日本史上最大のクーデターである二・二六事件を徹底的に考究。激動の昭和を歴史社会学的に考察した画期的論考。
目次
第1章 「日本ファシズム」論の再考察
第2章 戦間期日本における平準化プロセス
第3章 昭和の軍事エリート
第4章 昭和陸軍の原型
第5章 日本型クーデターの構想と瓦解
第6章 日本型クーデターの政治力学
第7章 昭和軍事史の断面
付章 昭和超国家主義の断面
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
67
著者の若い頃の昭和期、特に二・二六事件前後に関わる論文を集めたもの。最初の丸山真男ファシズム論批判は、ちょっと批判のための批判に感じられた。面白かったのはやはり二・二六事件に関する2つの章で、クーデタは内閣改造が行われることによって成功する可能性もあったが、木戸幸一の的確な判断により現内閣維持を天皇が貫き通せたというもの。この事件に関しては著者の別のものもある(21世紀に出された)ので読んでみたい。あと二葉会~一夕会の動きも整理されていて分かりやすかった。いずれにせよ20~30代の著作ということが凄い。2026/01/01
筑紫の國造
12
「歴史学」ではなく、「歴史社会学」の立場から二・二六事件前後の陸軍を考察した著作。歴史学による「事実の探求を行う」だけでなく、組織としての陸軍のあり方や事件に内在する論理が丹念に追求されており、この分野に興味があるなら読むべき一冊と言える。特に印象に残ったのは、二・二六事件を無謀なクーデターとするのではなく、極めて現実性を持った計画であると論じた部分だろう。ただし、もともとバラバラに発表された論考を集めたものなので、統一感に欠ける面があるのは否めず、また読みやすいとも言いがたい部分もある。2017/10/05
フンフン
6
筒井は丸山のファシズム論がなってないことを指摘するのだが、本人が国家論についてまるきり無知だから筒井の論も全然なってない。この時点では滝村隆一の国家論は完成していないがアリストテレスやヘーゲルの国家論ぐらい勉強しておけって。にしても、滝村はアリストテレスやヘーゲルに匹敵する大天才だね。 2025/12/27
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