出版社内容情報
【内容紹介】
平安の世に権勢並ぶものなき栄華を誇った藤原氏。その華やかな貴族文化も地方政治の乱れから次第に崩壊し、代わる新興武家勢力の両雄・源氏と平氏の宿命的な争いとなる。本巻では、保元・平治の乱に始まる源平の合戦から室町幕府の終末までを取りあげ、乱世における武家政治の不条理を描く。平清盛-源頼朝-足利尊氏と受け継がれた覇権は途絶え、応仁の乱をもって日本の中世は幕を閉じんとする。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
46
平安時代から室町時代まで。荘園整理に着手した後三条天皇を取り上げたのと源平合戦が詳細に記載されているのは評価できるが、安易に北条義時・泰時や足利尊氏を悪人としているのは納得できない。南北朝時代も吉野(朝)時代としているが、護良親王・北畠親房・楠木正成等が大変な目に遭ったのは「朕の新儀は未来の先例」と主張したことからもわかるように後醍醐天皇がサイコパスだったからだ。室町時代について「これといってお話しすべき価値あるものは、ないのです」というのは極論過ぎて受け入れられるものではない。2021/05/26
チアモン
25
職場のボスのおすすめ本。ようやく中巻まで読み終えた。中巻は平安時代から。和歌などが多く書かれていたが、古典等が苦手だった私は、ただ流し読み。難しい。平家物語も高校時代古典で習ったと思うが覚えていなかった。はぁ。ラスト下巻へ。2017/06/10
seer78
7
子どもにも分かりやすい日本の通史。例によって魅力的な歴史人物を前面に据えた記述で飽きさせない。人よ知れ、源義経や楠木正成ら英雄たちがいかに勇敢に戦い、散っていったか。平清盛、源頼朝、北条義時らが権謀術数の限りを尽くして築いた体制があっけなく崩壊するのを読むのも楽しい。室町期を「つまらぬ時代」と断じ、「お話すべき価値あるものは、ない」と切って捨てるのは、本書の「皇国史観」というパースペクティブの特徴が最もよく現れているところ。北畠親房『神皇正統記』を解説した節が面白かった。乱世における古典書物の拡散事情も。2012/11/27
白義
7
足利尊氏&室町時代に冷たすぎ分量短すぎでくそ吹いた。そりゃ皇国史観だからそうなるに決まってるんだけど182年を10ページってどれだけ極端なんだよ。尊皇思想という軸があるからか善悪がすっきりしていて、藤原の権勢から源平合戦、後醍醐天皇まで、荒々しく乱れた日本中世をスパッと整理していて読みやすい。一方、さすがに近代天皇主義最大のの泣き所の一つである南北分裂や後南朝史はほぼスルー。詩情たっぷりな名調子に浸れる一方、裏読みしても面白いと思う2012/10/08
かに
5
物語日本史(中)。藤原氏の隆盛から室町時代まで。 利害に走って、忠義を疎かにすると必ずしっぺ返しを食らうということを歴史は示している。 今の時代にも当てはまる大事なこと。2022/09/26