講談社学術文庫<br> 東山時代に於ける一縉紳の生活

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講談社学術文庫
東山時代に於ける一縉紳の生活

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  • サイズ 文庫判/ページ数 126p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061582507
  • NDC分類 210.46

出版社内容情報

【内容紹介】
本書は明治・大正を代表する歴史学の泰斗原勝郎博士の手になるものの1つで、京都大学文学部の機関誌「芸文」に発表せられた当時から傑作とうたわれ、博士のもう1つの論文「日本中世史」とともに、歴史を志す人にとって必読の名著といわれている。三條西実隆(さんじょうにしさねたか)という一公卿の生活描写をとおして、東山時代そのものの姿を明らかにした本書は、単に歴史の記述というに止まらず、その格調高い名文は、歴史記述の文学的古典ともいえよう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

10
著者は1871年岩手県に生まれ、東京帝国大学卒業。文学博士。京都帝国大学教授。日本史と西洋史を専攻した歴史学者。1924年神戸で没。本書は1917年に京都帝大史学の紀要『藝文』に5回に渡って連載された論文。戦国初期の公家、三条西実隆の日記『実隆公記』を元に書かれている。まず応仁の乱前後の世相を述べたあと、三条西家の家格、経済基盤を詳細に論じたあと、実隆の交友関係、連歌師との関係などを中心に、戦国期の一公家の生活を浮き彫りにしている。つづく。2019/09/27

にゃん吉

2
東山時代の中もしくは中の上くらいの公家だった三條西実隆の日記に基づき、当時の公家の生活を浮かび上がらせ、ひいては、時代の様相を明らかにする論文。大正六年初出で、今から見れば百年以上前の論文ですが、今読んでも面白くありました。特に、実隆の収入に関する記述が興味深くありました。実隆には、知行地、苧の流通に関する徴税権があったようですが、複数の利害関係人が介在したりして、権利関係が入り組み、回収するのに、幕府や、武家の実力者の力を借りてみたりする様が叙述され、当時の権力関係、土地制度が垣間見えるようでした。  2023/10/20

午睡

1
室町時代に生きた公家、三条西実隆の六十年に及ぶ日記を元に、当時の貴族社会の私生活、廷臣としての日常を描き、さらにはその東山時代の相に迫ろうとした論文。名調子である。著者はもともと西洋史を専門とした歴史家らしいが、すぐれた学識は日本史を分析しても一家をなすとみえる。 実隆が致仕し、一風流人として、当時最高の連歌師であった宗祇との交流を描く箇所など、特に面白い。古今集の講義など秘伝であったらしく、講義中は「魚味を食することに差し支えはないけれど、房事は二十四時を隔て」などと決まりがあったという。2019/09/22

0
足利時代のルネサンスの象徴として三条西実隆を主人公として伯爵くらいの地位にある公卿の生活を語る。荘園収入に気をかける姿、源氏を愛した足利義尚、宗祇との持ちつ持たれつの師弟関係、禁中に文筆家として重用される姿などなど。戦国が始まりつつある時代において皇室公卿が文化的な生活を忘れていなかったこと、地方大名にまで文化が伝播していたことに驚かされる。三条西実隆の日記を通して当時の生き生きとした文化生活の様子を詳らかにする名著。2021/04/28

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