感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ああああ
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流行歌が歌う形象そのものは、シベリヤの大氷原をさすらう人の姿であったり、赤い実のたわわにうれる南国の島の娘であったり、勝負師ややくざや凶状もちであったり、いずれ多かれ少なかれ現実の生活ばなれしたものである。しかしこれらの幻想的な象徴の中に、仮託され投げ入れられた幾百万の民衆の心情の総体の中にこそ、一つの社会現象としての流行歌の実体はある。と、すれば流行歌の「解釈」は、このような虚構あるいは幻想の中に仮託され投げられた真実を解読する作業でなければならない。42022/09/07
ぽん教授(非実在系)
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明治~1960年代前半までの流行歌の歌詞から日本の世論・空気の流れを推察していく。ついでに当時の(もはや化石ともいえる)名曲を味わえる。「アカシアの雨がやむとき」ですら今となってはかなり古い。方法論的にどうしても厳密性として限界があるものの、まあ妥当な記述であると思う。これの60年代後半以降バージョンを欲しい。2015/07/12
ワマ4世
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私こういうの大好き2015/01/05
高円寺
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再読。「郷愁」への分析は、現在にも通じる理論的な洞察が多分に含まれているように思う。見田宗介の見事なところは、決して劇的とは言えないような数件というデータの変化に折りたたまれた感情のひだを「読む」ところにあると、改めて感じた。2017/10/23