微分積分学の史的展開―ライプニッツから高木貞治まで

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微分積分学の史的展開―ライプニッツから高木貞治まで

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  • サイズ A5判/ページ数 275p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784061565418
  • NDC分類 413.3
  • Cコード C3041

出版社内容情報

17世紀に端を発する微分積分学が、やがて現代数学へと成長する過程を活写する。当代一流の数学史家による、熱気溢れる書き下ろし。微分積分学の長い歴史は,西欧近代の数学史と軌を一にする.そこでは,微分と積分が「曲線」を媒介項としてつながってきた.曲線の性質を解明したいと願った古代の数学者の情熱は,ライプニッツらの着想を得て一時代を切り拓く.やがて微分積分学は,知の巨人たちによる「無限」概念の精緻化を経て,コーシーと高木貞治という頭脳を得ることで現代数学の基礎を築くこととなる.天才数学者たちの情熱が現代数学に結実する物語を,本書は精緻に描く.

序―本書の読み方
第1章 曲線の理論のはじまり―デカルトの解析幾何学
 デカルトの『方法序説』に始まる/いろいろな曲線/デカルトの葉(その1)/デカルトの葉(その2)/デカルトの『幾何学』より/ほか
第2章 曲線論と極大極小問題―フェルマのアイデア
 デカルトとフェルマ/フェルマにおける極大極小問題/極大極小問題と曲線の理論/極大極小問題のいろいろ/ほか
第3章 万能の接線法―ライプニッツの発見
 「ライプニッツ1684」/切除線と向軸線/差分と微分/接線法の公理系/加減乗除の微分計算/ほか
第4章 ヨハン・ベルヌーイの無限解析とロピタルの無限小解析
 ヨハン・ベルヌーイを読むまで/ヨハン・ベルヌーイの『微分計算講義』の発見/ヨハン・ベルヌーイの『積分計算講義』の脚註より/ロピタルの『無限小解析』の諸言より/ほか
第5章 関数とその微分可能性をめぐって
 高木貞治の著作『新式算術講義』から『解析概論』へ/コーシーの解析教程/高木貞治の『解析概論』と『シュヴァルツ解析学』/『シュヴァルツ解析学』第2巻「微分法」を読んだころ/ほか
第6章 フーリエの関数概念
 積分計算の泉―「微分積分学の基本定理」とは何か/定積分について―若干の補足/連続関数と不連続関数/「まったく任意の関数」をめぐって(その1)―曲線から関数へ/ほか
第7章 コーシーの解析学と微分積分学の基本定理
 数学の抽象性について/コーシーの『要論』/テイラー級数/原始関数と不定積分/コーシーの積分論/ほか
第8章 無限解析の創造
 微分計算と積分計算/曲線とは何か/曲線の媒介変数表示/ライプニッツの接線法/有限の世界と無限小の世界/ほか
第9章 コーシーから高木貞治へ
 高木貞治『近世数学史談』より/虚式と虚数/仮象の虚表示式/透明な理論と意味の消失/ほか
第10章 関数概念の発生と無限解析の変容
 若干の回想/創造者と源泉/無限解析と無限小解析/曲線の解明に寄せる情熱/曲線を理解するということ/ほか
終章 西欧近代の数学の礎
 マルキ・ド・ロピタルの著作『曲線の理解のための無限小解析』/揺籃期へのあこがれ/ベルヌーイ兄弟(ヤコブとヨハン)/ほか
あとがき


高瀬 正仁[タカセ マサヒト]
著・文・その他

内容説明

無限を創造する。微分積分学の長い歴史は、西欧近代の数学史と軌を一にする。そこでは、微分と積分が“曲線”を媒介項としてつながってきた。天才数学者たちの情熱がやがて現代数学へ変容するまでを、精緻に描く快著。

目次

曲線の理論のはじまり―デカルトの解析幾何学
曲線論と極大極小問題―フェルマのアイデア
万能の接線法―ライプニッツの発見
ヨハン・ベルヌーイの無限解析とロピタルの無限小解析
関数とその微分可能性をめぐって
フーリエの関数概念
コーシーの解析学と微分積分学の基本定理
無限解析の創造
コーシーから高木貞治へ
関数概念の発生と無限解析の変容
西欧近代の数学の礎

著者等紹介

高瀬正仁[タカセマサヒト]
1951年、群馬県に生まれる。現在、九州大学基幹教育院教授、博士(理学)。専門は近代数学史、多変数関数論、ヤコビ関数、虚数乗法論。数学の古典的著作の翻訳などの執筆活動により、2009年度日本数学会賞出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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