内容説明
死ぬまで元気でいたい。自宅でぽっくり死にたい。在宅死亡率70%と医療費削減を実現した老医師の執念。尊厳死とまったくちがう満足死を、大宅賞作家が追う。
目次
第1章 寝たきりゼロの町
第2章 全村病院構想
第3章 満足死宣言
第4章 「満足死」的生き方
第5章 それぞれの満足死
第6章 ケア完備の町づくり
第7章 半歩先の満足死
著者等紹介
奥野修司[オクノシュウジ]
1948年大阪府生まれ。立命館大学卒業。78年から日系移民調査のため南米へ。帰国後、フリージャーナリストとして活躍。2006年、『ナツコ 沖縄密貿易の女王』(文藝春秋)で、講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ichi
22
【図書館本】「満足死」とは死ぬ間際まで自分自身動き、身の回りの事ができ、寝たきり期間が少ない状態で逝くことができること。と自分は解釈しました。家族に迷惑をかけないように、寝たきり期間を少なくするために、満足の人生を全うするためには、自分の身体が動くうちは畑仕事や家事など自分の出来る範囲で身体を動かすことが予防医学につながる。と書かれていました。2015/04/07
おおにし
12
満足死とはいい言葉だと思う。尊厳死は二人称、三人称の死であるのに対して満足死は一人称の死。満足な生活の延長線上に満足な死があるのだ。だから満足死を実現したければいい生活を送る必要がある。そのためには生涯現役で働くことだ。リタイアしたら何もしないでゴロゴロしてた方が楽というのが危ない兆候。保健師が健康を訪問販売するという「健康販売店」という発想は面白い。これからの老人医療・老人福祉のあり方を提言していてなかなか興味深かった。2014/08/13
犬養三千代
8
2007年2月20日講談社現代新書 奥野修司 副題が「寝たきりゼロの思想」 満足死を目指した疋田善平の足跡。 今生きていらっしゃれば90歳をこえている。町の隅々まで目を配り、社会死から生活死そして生物死までのあいだを特に生活死から生物死までを一週間にとの思いで活躍された疋田さんの記録。 ネットで調べたが地図は出てくる。行政の無駄や無理解とも闘っておられたようだ。 無理に生きてはいたくないなと思う。2018/10/28
こばまり
6
満足死というテーマも、満足死を提唱する疋田善平医師という存在もスケールが大きすぎて、奥野修司氏の筆力を以っても新書版の書物には収まりきれてない感じがしました。それはさておき本文中に目を見張るような誤植が。ガンバレ講談社現代新書!2013/11/03
ソウ
3
「満足死は生が目的」満足な生活の延長上に満足な死がある。「元気で死のうと思ったら死ぬまで働くこと。若い時は金のため、年とってからは健康のため。金のために働くとつい無理してしまう、健康のためならば疲れたらやめることもできる。その働きが社会の役に立っていると実感できれば、人生は充実し、さらに健康になる」「終末期のスピリチュアルケアはどんなに偉い医者もできません。患者の人生行路を知らないから。お手伝いできるのは家族かかかりつけ医くらい」2017/08/14