内容説明
イスラーム教を信ずる人々は、七世紀から今日まで、ユーラシア大陸のスペインから東南アジア、さらには日本やアメリカまで、長い時代にわたって、そして広い地域に、その足跡たる建物を残している。茫漠たるイスラームの広がりのなかで、著者が垣間見た建造物はごくわずかな片鱗にすぎない。とはいえ、なるべく著者が自分で実際に訪れたことのあるものを主軸にして、イスラーム建築の秀作を紹介したい。
目次
第1部 アラビア半島と地中海世界(イスラーム建築の原点;ダマスクスのウマイヤ・モスク;アル・ハンブラ宮殿 ほか)
第2部 ペルシア世界(ムタワッキルのモスク;王の広場;サーマーン廟 ほか)
第3部 周辺世界(アフリカ大陸;西安の清真寺;クアラルンプールのモスク ほか)
著者等紹介
深見奈緒子[フカミナオコ]
1956年、群馬県生まれ。東京都立大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。博士(工学)。東京大学東洋文化研究所嘱託研究員。専攻はイスラーム建築史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
7
西はスペインから東は中国まで(ちょこっと日本も)のイスラーム建築(モスクを主にお墓やマドラサ等)を紹介。モスクや建築の予備知識なく読み始めたので、基本的な知識やコンセプトに触れられてよかった。建築材料が石、土(煉瓦)、木の文化とか、神の前で平等に礼拝できるように横長とか…。ただ、一番知りたかったタージマハルはほんのちょこっとだけ(涙)。2020/06/26
Ayakankoku
4
予想はしていたけれど、ひたすらマニアック。笑 序盤で、理解するのではなく読み流そうと決断。次回はもう少し入門書を読まねば。2018/08/05
おとや
3
世界各地のイスラーム建築を総花的に紹介した解説書。アラビア半島から始まり、周辺地域へと紹介していく形式を取っているため、時代的に前後することが多く、少々混乱する。地域を越えて、時代の流れに沿って紹介したほうが分かりやすかったのでは、という気がする。一方で、ミナレットの様式やドームの様式など、イスラーム建築を特徴付ける様々な要素については、割と丁寧に説明されており、またコラムも設けられているため、頭の整理に役立った。あれもこれも盛り込みすぎている感はあるが、面白い本だった。2014/11/18
takao
2
ふむ2021/03/13
小春
2
ペルシアのところだけつまみ読みしようかと思ったのですが、フェズ、トルコのあたりも面白く、結局読了。イスラムの影響は大変なものですが、なんいっても建築を規定するのは、気候風土だなあと思ったのでした。2015/10/19