内容説明
華麗な大名行列の実相とは何か。幕府・他藩への「外交」と儀礼、トラブル処理の知恵、コストのやりくり―多彩な実例と人間模様をふまえて幕藩体制の知られざる根幹を解き明かす。
目次
プロローグ 万延元年の江戸勤番武士たち
第1章 参勤交代の歴史
第2章 参勤道中
第3章 参勤交代と突発事故
第4章 参勤交代と藩財政
第5章 大名の家格と先例
エピローグ 参勤交代制度の終焉
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆花火大会が迫っています!!
69
1998年発行。岡山生まれの東京大学院修了。大名行列の実相とな何かを問う。幕府・他藩への外交と儀礼、トラブル処理の知恵、コストのやりくりを解き明かしてるかな?旅の資金は高いんですよ!(;´Д`)2019/07/20
kawa
31
直前読了「教科書には書かれていない江戸時代」と同著者作品。こちらは参勤交代に絞っての考察。幕府主導の幕藩関係のため最も重要な行事として位置付けられていた制度。前田藩4200人、薩摩藩3100人と大規模で、徐々に縮小されていったとは言え、その費用は莫大なものがあった。しかしこの経済的負担で各藩の力を削ごうとしたと言う話しは俗論だと言う。明石候松平斉宣(なりこと/家斉の53子と紹介)一行が、木曽路で3歳の幼子を無礼討ちして尾張藩を怒らせ、町人や農民に変装してでないと当地を通過出来なくなった逸話が面白い。 2025/06/14
キャベ
3
参勤交代は古くは豊臣秀吉が始め、徳川幕府の支配の根幹であった。 幕府の思惑は、大名に服属儀礼をせまるという面もあったのだが、参勤交代の人数を減らすようにという通達も出されていたらしい。大名にとって参勤は沽券に関わるもの。そのため人数を減らすのは難しかったらしく、幕府としても扱いの難しい制度であったのだろう。 大名が江戸に隔年で通うことで街道と宿場が整備され、江戸に人と物が集中して江戸発展の礎にもなった。無駄が多いように見えて、本当によく出来た仕組みだし、それが古くからの慣例として行われ続けたのが面白い。2015/06/22
やまぐてぃ
2
江戸時代を通じて、何度も改正されながら実施され続けた参勤交代。幕府に対する服属儀礼を、各藩の大名たちはどのように考え、受容してきたのか。日本中の大名が江戸に向かうため、衝突を避けるための様々な工夫が必要であった。参勤交代に関連する事件を紹介しながら、行列を作る際の費用、幕政に与えた影響、大名への処遇など、参勤交代の裏側を見る。2012/11/02
akiu
1
参勤交代研究本。参勤交代といえば、大名の力を弱めるための苦行、というイメージを持ってましたが、街道筋や江戸の発展に寄与していたり、大名が逆にその実力・メンツを誇示するものになっていたりと、様々な側面について解説しており、大変興味深く読めました。種々のエピソードも面白いです。2014/06/19