内容説明
人が神に成る、神が人に成る。宗教の大前提はいかにして可能か。東方キリスト教を手がかりに、全宗教を貫く普遍理論を提唱。
目次
1 世界と神
2 神の受肉
3 人間の神化
4 神における同一と差異
5 無限の数理
6 神の集合論
7 ユーラシア正教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
「宗教の全てが合理的な行為に還元出来るわけではない」「宗教の中には、他者の内在あるいは自己の超越のみを強調する傾きがある…西方キリスト教を他者内在型、仏教を自己超越型、東方キリスト教とイスラームを両類型の複合型に分類することは許されよう」「この世界の他者の存在を肯定することそれ自体は全く合理的な行為なのであって、そこに信仰の入り込む余地は少しもない。宗教において信じることが問題となるのは、この世界の他者とこの世界の存在者たとえば人間とが接触する可能性を認めるか否か、という場面においてである」2015/12/19
ELW
2
神=無限 という仮定と集合論のはなしはとても面白い。 カントール以降、こういう分野の見直しが進んでいないのなら、論文としてうってでたらとも思う。しかし、偉大な同志社大学神学部かと思いきや経済学部の先生なんですね。そうそう、古代の正統・異端の公会議の概略はためになった。 『生き残った帝国ビザンティン』を読んでおいてよかった。2018/01/14
なつき
0
新書『〈神〉の証明 なぜ宗教は成り立つか』読了。遅ればせながら数理神学の門を叩いた。n+1は神をあらわしうるというのは仮説として思っていたんだけれど、無意識的に数理神学という発想の影響下にあったのだと思う。神の集合論はとくに知らないところだったので、数式を追っていると楽しかった。 2017/03/16
karatte
0
読了日不明。"この無限集合を神の活動、そのベキ集合を神の本質と解釈することが許されるならば、神の本質はその活動を超越する""宗教とは語るものではなく、まず何よりも信じるものなのである" この辺りの文章をどう評価するかで、本書の価値は大きく変じてくる。
蘇芳
0
文章は面白かった2005/03/13