講談社現代新書<br> デカルト=哲学のすすめ

講談社現代新書
デカルト=哲学のすすめ

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061493254
  • NDC分類 135.2
  • Cコード C0210

内容説明

カントやヘーゲルが哲学を完成したのではない。近代哲学とはデカルトの到達した高みからすべり落ちる歴史だった。戦争、宗教、あるいは病いなど今日的課題に答えうる「哲学の王道」を読み直す。

目次

序章 思想を捨てる
第1章 離脱道徳―精神的生活と世俗的生活
第2章 懐疑―世俗的生活からの脱落
第3章 死にゆく者の独我論
第4章 哲学者の神
第5章 最高善と共通善―宗教の可能性
第6章 賢者の現存―善く生きること
終章 魂の不死、私の死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

3
プラトンにとって哲学とは死ぬことのレッスンであった。これに対してデカルトにとって哲学とは死ぬことと生れることのレッスンであったとある。そこからデカルトが<私は存在する>という言明によって言い当てようとした真実とは、死にゆく者が徹底的に独りで生きているということであるし、死にゆく者が共同性や社会性から完全に離脱しているということである。また「人間にとっての善」が何であるか、それを享受するにはどうするかについては、喜びによって決められるという。喜ばしく生きることは、楽しく生きることとも言い換えられるとある。2014/10/05

塩屋貴之

3
小泉さんの語る内容はぼくにとってすごく示唆的だし、わかるんだ。でも何か手つきがいやらしい感じがする。たぶんそれはふたつの要素から来る。ひとつは「あくまでテクストに即した精読」みたいなことをしようとするときのローカリティ、もうひとつは「(形而上的)倫理批判批判」みたいな、なんかもう言ってしまえばエロさ。あ、でも倫理批判批判?がエロいって感覚は面白いかも。ぼくはバタイユにあたってみることにしよう。「自然=賢者」はもらった。2010/12/15

Yasomi Mori

2
デカルトの倫理学や宗教に対する態度を解説する一冊。著者によれば、《デカルトは、制度宗教を根こそぎにして宗教の最良の伝統を引き継いだ哲学者であった》。《私全体を支えるものが、私全体を越えて実在する…それが、生命体としての私を支える自然であり、哲学者の神である》とするデカルト神学。そこから引き出される《分からないときは、判断を停止し、行為を停止せよ》という驚くべき倫理。/イエス・キリストが一片のパンになるという聖体の秘蹟は、聖体自体が善や神秘なのではない。聖体によって元気になるということが善であり神秘なのだ。2015/10/03

スズツキ

2
著者のレベルの低い政治的私見を抜きにすれば、デカルト論として有益。哲学の中ではソクラテスと並ぶくらい平易だろうが、やはり初学者にはそれなりの覚悟は必要なわけで、その際の手助けになるだろう。2015/07/09

森野アリス

1
デカルトの哲学を分かりやすく要約した1冊 日本人にも理解しやすいようにキリスト教以外にも仏教についての例をあげるなど工夫が見られる。 著者はデカルト擁護者でありカント批判者ではあると思われるので、偏りをなくしたいならカントの入門書も読んで比較すべきかと思った。 生死の問題について特に取り上げてあるので、今その問題に苦悩している人には良いかもしれない。2023/05/10

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