アスキー新書<br> 逢瀬で読む源氏物語

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アスキー新書
逢瀬で読む源氏物語

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784048700245
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C1293

内容説明

源氏物語の女君たちは光源氏との関係を生かされる中で、おのずと「世の中」の問題、つまりは女の生き方の問題に直面させられる。紫式部に五十四帖もの長きにわたって書き続けさせていった内なる力は、人間の生き方についての、深い興味とあくなき探求心。源氏物語研究の第一人者が、この物語がえぐり出す人間認識の深みを読み解く。

目次

第1章 光源氏の運命を左右する女君たち(葵の上;藤壷の中宮;六条の御息所;朧月夜の君;紫の上;明石の君;女三の宮)
第2章 男君の執念(愛執の罪;柏木と女三の宮;夕霧と落葉の宮)
第3章 性を拒否する女君(薫と大君;薫と浮舟と匂宮)

著者等紹介

池田和臣[イケダカズオミ]
1950年東京都生まれ。東京大学大学院修了。博士(文学)。現在、中央大学教授。専門は日本古典文学、特に源氏物語。古筆、書道史にも造詣が深く、平安書道研究会(書芸文化院)客員講師などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬見

22
簡潔にまとまっていながらも読み応えのある一冊。「源氏物語は恋愛遍歴の物語でもないし、江戸の艶本のようなものでも、現代のポルノ小説のようなものでもない。そしてまた、甘美なロマンスでさえなく、王朝の雅を描いた物語でさえない。むしろ、とても深刻で無惨な物語という方が当たっている」その通り。声を大にして言いたい。『源氏物語』を読んでいる/筋を知っていることが前提で進められるので、未読の方はまず巻末の付録を見るべし。2016/12/06

ムージョ

3
源氏関連本はそれだけで図書館でも開けそうなくらい。この本は男女の逢瀬に隠された作者の意図や時代の状況を詳しく解説している。興味深い指摘が多かったが、特に柏木に対する解説が良かった。同時代の運命に責任を任せる人々と違い彼は自分の行動について自分で責任を取ろうとしていた。宇治十帖の薫たちが近代人のようだと指摘されることはよくあるけど、むしろ柏木こそ近代的な自意識を持った人だと思う。同じ罪を犯しながら柏木を責めて死なせてもたいして罪の意識を持たない源氏とはそこがまるで違う。2018/02/15

ハルカ

3
「やっぱり紫式部すげぇ」の一冊。「いはけなし」や「あさましき」とかの表現を重ねることで、異なる場面がオーバーラップしたり、男と女との関係性のテーマを深化させたりと、原文に仕込まれていた伏線の数々に成程と唸る発見がいっぱいあった。柏木の女三宮に対するマゾヒズム的な捉え方も面白い。結婚=ご対面みたいな当時の色恋では噂だけ聞いてて、遠目に見ただけなんて期待が高まって男の中で崇高に仕立て上げられるのかね。宮中では女が政治の道具の様な扱いを受けてただけに、それを見てきた紫式部の考えは否定的だったのかも。2012/11/06

中将(予備役)

2
この厚さの新書としては、非常に濃い内容だった。人の世は業が深い。2014/12/26

いずみ

2
単純かもしれないけど、夕霧を少し嫌いになった。その代わり毛嫌いしていた薫は前よりも好ましく思える。 柏木・女三宮の事件がその後反復されるというのはなるほど!という感じ。宇治十帖もしっかり読んでおかなくては。2014/09/19

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