内容説明
「ないもの」を思い浮かべる不思議な能力、想像力。日常生活から芸術まで、つねに「新しさ」を生みつづけるメカニズムは何か。ことばとの複雑な関係を解明しつつ、誰にも備わるこの能力を、存分に発揮させる方法を考える。
目次
想像力とは何か
想像力のメカニズム
ことばと想像力
日常の中の想像力
想像力の歪み
創造的想像力を育む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
4
この本を読んでいた時、何故か数年前に行ったスペインのプラド美術館で見たボスの「快楽の園」の絵を思い出した。想像力の言語化は難解ではないかと読む前は思っていたが、著者が発達心理学・認知心理学専攻の教授であり、幼児から子どもの「お話遊び」の例が幾つかあり興味深く分かりやすかった。創造的想像力を発揮するには①誰にも邪魔されず自分一人の世界を作り、②物事をよく見、よく聞く事、そして③積極的に人との関わりの一つ一つを大切にする事。この3つを繰り返し行う事。…私には③が少し足りないかもしれない。2021/08/10
Datt
2
★★★★☆想像力は才能とか芸術とかに限らず,生活のあらゆるシーン(メディアリテラシーやコミュニケーション等)で重要だと気付いた上で,自分には想像力が欠けていると感じている人にはうってつけの内容だと思う2013/04/01
Atsumi_SAKURADA
1
想像力の発達について概説した本です。想起とは、取り込んだ情報を一貫性のある構造に再構成する過程である…ということを前提に、それを可能にする想像力が子どもにどう発現していくかを、発達心理学の立場から解説しています。とても面白い本なのに、いま刷られていないのが惜しまれます。ちなみに本書の前提部分は、高橋雅延『記憶力の正体』(2014)という新書が詳しく解説しています。2016/01/15
reisyagetu
1
最初、想像と整合性は反する物のような気がすると思ったが、読んでみると納得できた。2012/12/13