内容説明
連日のデモ、国会議事堂をとり囲む大群集、学生たちと警官隊の激突…。「日米安全保障条約」の改定問題をめぐり、1960年の日本は、大揺れに揺れた。国民のあらゆる階層をまきこみ、空前の規模で展開された戦後最大の政治ドラマ。そのなかで人々は、何を考え、どう行動したか?現代史の転換点となった“政治決戦”の全過程をつぶさに検証し、跡づけた歴史ドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「安保改定阻止の運動は…「オイコラ警察の復活」や「デートもできない警職法」というスローガンが街にあふれ…戦前の国家が再現されるというアピールは、国民をもっとも納得させるもの」昭和三四年「三月二八日には、安保条約改定阻止国民会議(以下国民会議)が結成された…国民会議は、日本の左翼総体を結集した組織だったが、その内部では政党や各団体の路線や思惑の違いがあり、同床異夢という状態であった」この国民会議を中心に様々に状況が変化していく。ある時は計画的に動き、またある時は場当たり的に空気に流されつつ。2021/08/03
wm_09
1
「発端」「対決」「決起」など、安保闘争が順を追って書かれているので分かりやすい。全学連や総評、共産党などの組織関係が分からないと飲み込めない部分はあったが、全体的には非常に因果関係がはっきりしている。安保闘争の最終局面ともいえる「六・一五統一運動」での樺美智子の死とそれに連なる場面には鳥肌を禁じえなかった。こういった学生の純正精神の敗北が、学窓でた後に高度経済成長期の原動力となっていったというのは興味深い。なんとも皮肉な話。(ローウェル嬢)2010/08/16
べらし
0
本 from 伊那平松家の2冊目、読了2020/12/19