内容説明
プリンセスのための特別寄宿学校から、悪い魔法で生徒たちが消された。婚約者のプリンスたちは、のろいをとく“魔法のリンゴ”を手に入れなくてはならないのだが…(「プリンセすたち失踪事件」)。“日曜日だけ美人”ののろいをかけられたプリンセス、職業紹介所で募集されたキング、魔法使いの心臓を手に入れたプリンスなど、ふしぎでゆかいな“魔法と恋の物語”6編を収録。小学中級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
131
オムニバス形式で”キング””クイーン””プリンス””プリンセス”たちが活躍する物語を6篇から編まれた1冊。著者ネズビットは以前のレビューにも書いたが、フェビアン協会の創設会員のひとりで、同協会は社会主義に魅力を感じた多くの知識人から成り立ち、ジョージ・バーナード・ショー、シドニー・ウェッブ、ベアトリス・ウェッブ、アニー・ベザント、グレーアム・ウォーラス、ヒューバート・ブランドH・G・ウェルズ、シドニー・オリヴィエ、エミリン・パンクハースト、バートランド・ラッセルらがメンバーとなっている。 2017/05/30
あたびー
31
#日本怪奇幻想読者クラブ 魔法はもちろんのこと、プリンスやプリンセスが満載の作品集ならラブストーリーでもあるわけです。19世紀末~20世紀初頭の世の中に現れた様々な発明や新しい技術が、魔法やプリンセスの出てくる物語に使われているのだから、その目新しさに当時の子供たちは大喜びしたことでしょう。「キング、募集中」ではキングと言う名字の少年が本当に王様になりたくて職安へ行っちゃうし、呪いをかけられて日曜以外はブスなプリンセスを救うためには鳴らない鐘を探さなくてはならず、それが潜水するための鐘だったり、(つづく)2021/10/15
topo
6
魔法と恋の物語六編短編集。恋の魔法というけど魔法が先か恋が先か… 古式ゆかしい魔法と近代アイテムが入りまじりユーモア溢れ恋の花咲く楽しい一冊。 ─なにごとも、永遠につづくことはないからだ。 たとえ、不運さえもね。─2020/01/29
timeturner
5
いわゆる王室物(?)ファンタジー集。出てくる王様たちがみんな型破りで、いかにもネズビットらしく皮肉がきいてる。そのわりにはお姫様たちは昔ながらの≪美人でなんぼ≫的な生き方というのがちょっと納得いかないけど、まあお伽噺だしね。2016/01/17
温
3
魔法とお姫様と王子様と恋がモチーフの短編集。どれも御伽噺のような展開だけれど、執筆当時の最先端技術や文化が登場するところが一風変わっている。楽しく読めたが、同じようなパターンのものばかりで最後のほうは飽きてしまった・・・。ネズビットのユーモアのセンスは好き。2004/03/27