星海社新書
今、改めて「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 314p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061385702
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

自衛隊イラク派兵は憲法違反。当時黙殺された歴史的判決は、この国の「今」を暗示していた。大塚英志があぶり出す日本のゆくえとは。

誰が憲法を「解釈」するのか
気鋭の弁護士、川口創が中心となり「イラク派兵」問題をめぐって起こした「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」裁判に対して、名古屋高等裁判所が言い渡した歴史的な「違憲」判決。田母神俊雄元航空幕僚長が「そんなの、関係ねえ」と逆ギレし、福田康夫元首相が「傍論でしょ?」と冷笑した、「平和的生存権」をめぐるこの画期的な判決文は、年を重ねるごとにその重みを増している。原告のひとり、大塚英志を聞き手とした判決文全文の徹底レクチャーから、この国の未来が今こそ見えてくる!

【著者紹介】
弁護士
1972年埼玉県生まれ。2004年にイラク派兵差止訴訟を提訴、弁護団事務局長を務めた。著書に『「立憲主義の破壊」に抗う』『子どもと保育が消えてゆく』などがある。現在は「一人一票実現訴訟」にも参加している。

内容説明

気鋭の弁護士、川口創が中心となり「イラク派兵」問題をめぐって起こした「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」裁判に対して、名古屋高等裁判所が言い渡した歴史的な「違憲」判決。「平和的生存権」をめぐるこの画期的な判決文は、年を重ねるごとにその重みを増している。原告のひとり、大塚英志を聞き手とした判決文全文の徹底レクチャーから、この国の未来が今こそ見えてくる!

目次

「自衛隊のイラク派兵差止等請求控訴事件」名古屋高裁違憲判決(全文)
1 なぜわれわれはこのような裁判を始めたのか?(始まりのきっかけは何だったのか?;誰もが参加できるようにやったこととは?;一審ではどう闘ったのか?)
2 この判決文には何が書かれているのか?(初歩的だけど素朴な疑問;一言一句に意味がある判決文を読み解こう;事実認定が明らかにするイラク戦争の実態とは?;政府答弁から導き出された違憲判決;「平和的生存権」の使い方)
3 未来に対してこの判決文はどんな影響力を持つのか?(この判決は誰に向けたものなのか?;この判決の意味をもう一度考えてみよう)

著者等紹介

川口創[カワグチハジメ]
弁護士。1972年埼玉県生まれ。2004年にイラク派兵差止訴訟を提訴、弁護団事務局長を務めた

大塚英志[オオツカエイジ]
まんが原作者・批評家・国際日本文化研究センター教授。90年代は宮崎勤事件公判に関わり「おたく」批判の世論に抵抗する一方、「諸君!」「中央公論」「Voice」といった、「歴史修正主義以前の保守論壇」で戦後民主主義擁護の論陣を張る。「中央公論」では、改憲派・護憲派双方から批判された「有権者自身が自分のことばで憲法前文を書く」企画を立案。その後、小中高校生ら未来の有権者から憲法前文を募るプロジェクトをおこなう。9・11以降は、本書の元となったイラク自衛隊差止訴訟に原告のひとりとして参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うらのプーさん

19
今9条についての勉強をしていて、もう何がなんだかわからなくなってきた時にこの本を読んだ。 憲法を「守る」のではなく「使っていく」という考え方は右だろうと左だろうと持っておいた方がいいし、思想に囚われずその論調がどういう根源からできたのか知り学んでいかなくてはならないな、と反省。 2017/12/06

添川

2
この本はほんと凄かった。護憲派の人はこの本の存在をもっと広めるべきと思います。何がすごいって、公式な公開情報を徹底的に足で集めてること。これがすごいし美しい。想像で書かれてる部分が殆んどなく、ひたすら確たる証拠だけで勝負してる。最終的に裁判所という公的機関に事実認定させて、派兵自体が妄想でも誤報でもなく事実であると勝ち取るところが美しい。それにしても、本書を読んで、改めて、人はとっても狭い世界の中で生きてるんだな、と再認識せざるを得なかった…2016/03/12

埴裕史

1
一年以上前に買って今、ようやく読んだ。裁判所を通じて「憲法を解釈していく」という態度は、当たり前のことだったのかも知れないが、とても革命的なことだと思った。憲法はあるだけで自動的に社会を良くしてくれるものではなく、市民が「使っていく」ことで初めて機能する。つまり、「憲法を守る」のではなく「憲法で守る」というのが正しい態度なのだろう。この発想の転換は、現代社会に生きる以上どんな思想の持ち主も知っておかなければならないと、素直にそう思った。2016/07/26

LEE

1
2008年のイラク派兵違憲判決について解説したものだが、2015年の実態を予期している。今こそ読み直されるべき一冊。2015/07/23

レフラー

1
面白かった。すでにサイは投げられていると言いつつもまだ理想を信じる姿勢が美しくもある。問われているのは国家それ自体の枠組みについてだったりもするのだよな。今って。2015/06/22

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