星海社新書
キャラクター小説の作り方

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  • サイズ 新書判/ページ数 352p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061385405
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「小説家になる」ということは、どこかで「自分が自分であること」と不可分に結びついている―との視点から切り拓く新たな創作理論。「ラノベ」も「文学」も、キャラクター小説である
「人は何故、小説家になりたいのか」「スニーカー文庫のカバーイラストは何故、アニメ絵か」「『オリジナリティが欠けている』とはどういうことか」……。全十二講に及ぶ挑発的な「ラノベ」=「キャラクター小説」の「作り方」を通じて、ゼロ年代の「文学」の可能性を追求した不滅の文学入門書、星海社新書に登場。補講「もう一度、キャラクターとは何かを考える」を書き下ろし。

大塚 英志[オオツカ エイジ]
著・文・その他

内容説明

全十二講に及ぶ挑発的な「ラノベ」=「キャラクター小説」の「作り方」を通じて、ゼロ年代の「文学」の可能性を追求した不滅の文学入門書、星海社新書に登場。補講「もう一度、キャラクターとは何かを考える」を書き下ろし。

目次

キャラクター小説とは何か
オリジナリティはないけれどちゃんと小説の中で動いてくれるキャラクターの作り方について
キャラクターとはパターンの組み合わせである
架空の「私」の作り方について
キャラクターは「壊れ易い人間」であり得るか
物語はたった一つの終わりに向かっていくわけではないことについて
テーブルトークRPGのように小説を作る、とはどういうことなのか
お話の法則を探せ
「世界観」とはズレた日常である
主題は「細部」に宿る
君たちは「戦争」をどう書くべきなのか
近代文学とはキャラクター小説であった
もう一度、キャラクター小説とは何かについて考える

著者等紹介

大塚英志[オオツカエイジ]
まんが原作者・批評家・国際日本文化研究センター教授。1958年東京都生まれ。筑波大学卒。80年代を徳間書店、白夜書房、角川書店で編集者として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのくま

9
本書は複雑な作りになっていて、本編ではラノベから明治の私小説まで含めてキャラクター(仮構の私)による世界観で構築されたキャラクター小説であると肯定的に書かれている。この本論の主題は、手塚治虫が実現した「死なない身体」から「死んでしまう身体」への表象を、いかにキャラクター小説で書くかという問題だったのだ。だが、補講及び新版あとがきでは率直にラノベへの失望が書かれている。キャラクターという器に閉じこもり外部を遮断してしまったラノベに、著者が期待する社会との関わりは確かに望めないであろう。だがそれは本当だろうか2020/11/17

放蕩長男

8
キャラクター小説、今はライトノベルと言われるジャンルですが、これは既存の文学「自然主義文学」と何が違うのか。私小説とキャラクター小説の「おもしろさ」の違いと共通点は何か。創作物にオリジナリティがあるorない、というのは、どういう状態を言うのか。テーブルトークRPGに熟達することが、小説を書くこととどの様に繋がるのか。文学論と小説の書き方が入り混じった、タイトルとは裏腹に非常に内容の濃い、考えさせられる一冊でした。2016/07/19

ちゅん

6
小説を書こうとされている方にもオススメできますが、小説はどういう考えをもって書かれているのかを知りたいという方にもオススメです。面白い小説。その一つの手法としてリアルを描くというものがあります。ドキュメンタリー番組が面白く感じるのはその理由ですね。しかし、ライトノベルはその手法が通じません。そこで、考えるべきはジェームスの「アイデアのつくり方」に基づく考えではないでしょうか。魅力的なキャラクターは話を面白くします。それは既存の要素の組み合わせということ。納得ですね。2018/05/18

ころこ

6
タイトルと内容が合っていないので、本書の評価が低いようです。『キャラクターがつくり出すオリジナリティとは何か』というのが本書を表すのに適した表現ではないでしょうか。明治近代文学の自然主義が主流と思っている読者にとっては、写生がオリジナルという先入観がありますが、著者はキャラクターの典型にこそオリジナリティがあると言います。近代以前の古典の読み方にキャラクターの起源があり、その伝統と現在のマンガ、キャラクター小説が地続きの地平にあり、読者は勝手に動き出すキャラクターが、あちこちに場面ごと分岐する可能性を秘め2017/08/31

ざっきー

4
【図書館】そのうちに読もうと思って幾星霜。最初の版が発行されたのが2003年なのを見て、絶句しました。90年代への言及。911について。挙げられた出版社が、電撃、スニーカー、富士見という点も時代を感じさせる。大塚先生が見た今の出版状況についての話を聞いてみたくなる。(ラノベを謳ったレーベルの多量の参入。さらに、なろう系のラノベへの参入など。)2020/01/15

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