出版社内容情報
雪の朝にまどかが出会った、白いそりと白い服の子どもたち。そりに積まれた白い箱には、星のかたちのかけらが詰まっていました……。秋の最後のひと葉が散って、冬がやってきました。
ある朝、まどかは雪の野原を歩いていると、美しい白い箱を見つけます。箱のまわりには星のかたちのかけらがいっぱい落ちていました。かけらは拾い上げると、すっと消えてしまいます。
凍った湖にも雪が積もりました。そこには真っ白いそりがとまっていて、たくさんの白い箱が積んであり、たくさんの白い服の子どもたちがいるのです。
まどかが拾った箱を抱えて立っていると、子どものひとりがかけてきて、「あった、ぼくの だいじなもの・・・・・・。」と、言って箱を持ち去ってしまいます。その子がそりに乗ると、そりは動き出しして、真っ白い森の奥に消えていきました。
「あの子たちはどこからきたのかしら?」その夜、まどかは考えていると、外はまた雪になりました。
まどかが外に出ると、あのそりと子どもたちがやってきていました。子どもたちがそれぞれ手に持った小さい白い箱を開けると、星のかたちのかけらがあふれ出し、空に上って雪になっていきます。そりを引いて、夜空に舞い上がる子どもたち。雪の中に「あ、り、が、と、う」の文字が、きらきらとかがいて見えました。
立原 えりか[タチハラ エリカ]
著・文・その他
永田 萠[ナガタ モエ]
著・文・その他
内容説明
こおったみずうみの向こう岸にとまっていた、まっ白なそり。そこにいたのは白いふくの子どもたちです。ひとりの子が、まどかの手から白いはこをとると、子どもたちは、そりとともに走り去って…。美しい冬の、ものがたり。
著者等紹介
立原えりか[タチハラエリカ]
東京都に生まれる。1957年に自費出版した『人魚のくつ』で第8回日本児童文学者協会新人賞を、1961年に『でかでか人とちびちび人』で第2回講談社児童文学新人賞を受賞。『木馬がのった白い船』(角川文庫、講談社文庫)、『天人の橋』『王女の草冠』(愛育社)や、翻訳作品など著書多数。童話創作の機関誌「ヒースランド」編集長。2013年第52回児童文化功労賞受賞
永田萌[ナガタモエ]
兵庫県に生まれる。1987年、エッセイ画集『花待月に』(偕成社)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。著作は140作以上に及ぶ。2000年開催の淡路花博(ジャパンフローラ)では、公式ポスター、キャラクターマークを手がけた。国内外で数多くの展覧会を精力的に開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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