出版社内容情報
【内容紹介】
武家奉公がいやになり故郷の村に帰ってきた少年万吉が見たのは、領主の苛酷な重税に苦しめられている貧しい農漁民の生活だった!
江戸時代末期の東北を舞台に、民衆のがまん強い抵抗と、ついに一揆にたちあがる姿とを克明にえがく!
日本児童文学者協会賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K2
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小学生から中学生時代にかけて繰り返し読んだ、私の思想的原点。 時代は幕末。夢を追いつつもそれに破れて田舎に戻った青年・万吉を主役にして、貧困にあえぐ農民・漁民たちが連帯し、一揆を組織していく姿を描く。 創作ではあるが、実際に存在した農民一揆をベースにしている。記録が残る朝廷や武士の物語に比べ、農民や漁民たちの歴史はあまり残っていない。それを「フィクション」という手法により、大胆に可視化した良作。宗教や文化と密接に結びつきながら戦略的に行動した庶民の姿を描く。 2008年に新日本出版より再刊。1985/07/15