出版社内容情報
【内容紹介】
1789年7月14日のバスティーユ襲撃をきっかけにしておこったフランス革命は、燎原の火のごとくヨーロッパに広がり、ナポレオン帝国の成立と崩壊、ウィーン体制、南北戦争など波乱に富んだ時代の幕明けをつげた。一方、繊維工業を中心にして、イギリスに展開した産業革命は、静かに、そして力強く社会の構造を変えていった。本書は、最新の研究成果を十分とりいれながら市民階級の勃興と近代社会の成立という一大変革期を文化の側面にまで考察を加え、総合的にとらえた意欲作である。
フランス革命の成果――1789年から99年にかけてフランスは政治的に激しくゆれ動いた。われわれはとかく指導者の目まぐるしい交替やそれにともなう血なまぐさい粛正等に眼を奪われがちである。しかしこの激変期に樹立された議会制度、経済上の自由主義体制、合理的行政制度や地租、動産税、営業といった近代的租税体系などの政治社会体制もさることながら、文化事業も見落してはならない。旧制度時代、地方ごとに異なっていた度量衡に代わって合理的メートル法が採用された。これは今日世界の度量衡となって歴史の中に生きている。――本書より