感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜もち 太郎
19
遠藤周作が描く1966年に発表された長編ミステリー。こんな作品を残していたなんて、古本屋で手に入れた一冊。3人の従兄が次々と蒸発していく。4人目になるのは自分なのか。消えていった従兄たちは何処へ行ってしまったのか。神経科医師である会沢が精神分析をしながら真相に迫っていく。しかし真実は戦時下に起きた日本人が起こした韓国人虐殺に行き着く。ミステリーなのでこれ以上書くことはできないが、内容は思った以上に複雑だった。純文学でもエンタメ系でもなくミステリー。ガッツリ読み応えのある一冊だった。再読だった!2020/08/10