出版社内容情報
江戸後期の大ベストセラーを現代語訳。伊豆大島に流罪となって死んだ鎮西八郎為朝が、実は生きていてやがて琉球に渡り、王家の内紛で獅子奮迅の活躍をするという、滝沢馬琴の長編小説である。その奇抜な着想とスケールの大きさで大評判となった。平岩弓枝訳。 高校~一般
内容説明
江戸時代後期の作家、滝沢馬琴の出世作。大ベストセラーとなり、浄瑠璃や歌舞伎にもとりあげられてヒットした。物語は、伊豆大島に流されて死んだはずの源八郎為朝が、実は生きていて、やがて琉球に渡り、王家の内紛で大活躍するという波瀾万丈の活劇ドラマ。『御宿かわせみ』などで知られる時代小説作家、平岩弓枝の現代語訳が、いきいきとその面白さを伝える。
目次
第1章 英雄誕生す
第2章 不屈の闘魂
第3章 危うし琉球王国
第4章 卍巴の攻防
第5章 破魔の弦音
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
1932年、東京都に生まれる。日本女子大学文学部国文科卒業。長谷川伸、戸川幸夫に師事して小説家をめざし、1959年、『鏨師(たがねし)』で直木賞受賞。その後、時代小説・現代小説・ジュニア小説、また、テレビドラマの脚本と幅広く活躍し、NHK放送文化賞(1979年)、日本文芸大賞(89年)、吉川英治文学賞(91年)などを受賞、97年には紫綬褒章を受章した
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感想・レビュー
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NAO
56
【第7回 江戸時代を知る「テーマ:読本」】保元の乱で崇徳天皇側についた弓の名手源八郎為朝は伊豆大島に流されそこで討ち死にしているが、滝沢馬琴は、この薄命な英雄を、新たな舞台で大活躍させることにした。為朝自身の冒険譚だけでなく、生き別れた家族たち、為朝を思って命を絶った家族といった支流の話が膨らんでいき、彼らは、琉球というはるか南の島で合流する。妖術、強い思いを残して亡くなった者の霊といった、馬琴お得意の妖しさ満載の話は相当長い話なのだが、相当に長い話なのだが、平岩弓枝の抄訳は、かなり読みやすかった。 2018/07/18
sofia
29
『椿説弓張月』を以前から読みたいと思っていたが難しそうなので「マンガでもないなかあ」と探していたら、平岩弓枝の現代語訳を見つけた。非常に読みやすい。「奇想天外な冒険物語」と帯に書いてあるがその通り。大人のお伽話。史実では伊豆大島で亡くなっているが、こちらでは為朝、琉球で大暴れ。危なくなれば崇徳上皇が助けてくれる。昔の話をここまで膨らませる滝沢馬琴、そりゃあ江戸でベストセラーになるなあ。2024/08/06
あかんべ
7
琉球が出てくるまでは面白かった。弓が引けないように筋を切られて流されたはずが、あれ?弓引けるじゃん。ファンタジー色が強まる程つまらなくなった。2014/11/09
いきもの
6
源平時代のむちゃつよ武将(大河ドラマ「平清盛」では一部の人にガンダムとか呼ばれた武将)、源為朝を「南総里見八犬伝」の著者である滝沢馬琴が描いた壮大で奇天烈な戯作を平岩弓枝が抄訳。分量的には著者の思い入れが強い琉球篇がメインとなる。2024/06/22
げんげんみうみう
1
保元物語では手のつけられない暴れん坊だった為朝が品行方正っぽくなっててちょっと笑いました。縦横無尽に暴れさせてるように見えて、型に嵌めすぎたような気もします。2017/07/20