内容説明
戦乱の世に、一心に剣の道に生きた者たちがいる。その業は電光石火の如くにして、その力は比類なき剛力とされた。しかし剣理を究め、大悟した彼らは、剣をただ人を斬るのみに使わず、むしろ人を活かし、勝負を制することを是とした。自ら研鑽と工夫を重ね、一流を成し、後世、剣聖あるいは剣豪と呼ばれた男たちの、ひたむきな生きざまを描く。
目次
剣聖来臨―戦国揺籃期に産声を発した諸流の源(飯篠長威斎/中条兵庫頭/愛洲移香斎―“技”から“芸”へ。兵法を創成した三大潮流の祖;塚原卜伝―戦場に立つこと三七度、秘剣“一つの太刀”を編み出す;上泉伊勢守信綱―新陰流を大成した希世の剣聖 ほか)
武蔵勝負!―餓狼に群がる相克の系譜(宮本武蔵―窮鼠のごとく“敵”を噛んだ生涯無敗の血闘者;武蔵VS吉岡一門―将軍指南役にも抜擢された京流剣法;武蔵VS宝蔵院槍術―南都に轟く、十文字鎌槍の雄叫び ほか)
諸流小伝―戦国を断つ剛者たちの群像(柳生兵庫助―石舟斎の薫陶を受け新陰流を継いだ尾張柳生の創始者;柳生連也斎―最強伝説に彩られた廉潔風雅な尾張の麒麟児;柳生十兵衛―剣一筋に生きた“石舟斎の生まれ変わり” ほか)