出版社内容情報
信濃国の領有化を目論む武田信玄は甲相駿三国同盟を成立させ背後を固める。それに対抗する上杉謙信は関東管領上杉氏を継承、公方=関東管領体制の再構築を目指す。信濃侵略と関東騒乱の二大潮流の合流点「川中島」に渦巻く戦歴のすべてを余すところなく描く。
内容説明
信濃国領有化を目論む武田信玄は、背後を固めるために今川・北条氏と連携、甲相駿三国同盟を成立。対抗する謙信は、北関東・房総の諸大名の支持を受け、関東管領上杉氏を継承、公方=関東管領体制の再構築を目指す。こうした政治的背景から関東騒乱と信濃侵略の二大潮流は合流、信玄と謙信の戦いは不可避となった。川中島をめざし、両者の人生は収斂していく。戦国武田氏最大の血戦を余すところなく描いた決定版。
目次
第6章 川中島の戦雲
第7章 永禄の大飢饉と長尾景虎の関東侵攻
第8章 両雄の激突
第9章 最後の対陣
終章 川中島の戦いとは何であったか
著者等紹介
平山優[ヒラヤマユウ]
1964年、東京都出身。立教大学大学院修了。山梨県史編さん室所属。また、山梨大学で講師も勤め、戦国武田氏を中心とした研究活動を精力的に行なっている
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感想・レビュー
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A.Sakurai
2
新田次郎『武田信玄』に第4次川中島の戦いについて史料が甲陽軍鑑以外にほとんどないと書かれていた。そこで武田の信濃攻めといえばこの人、平山優さんのタイトル通りの本書をのぞいてみた。相変わらず史料は少ないままで、大きな戦いがあったことは確かなのだが戦いの詳細はまったく不明とのこと。なので、本書でも白眉たる第4次川中島の戦いは甲陽軍鑑に則っている。そのため基本的に類書と同じ記述になる。★本書は川中島の戦い以外の、これに至る関東甲信越の政治状況と戦いを詳細に記していて、タイトルとちょっと齟齬がある。2019/03/09
オルレアンの聖たぬき
1
何度読んでも奥が深い。川中島の戦いとは何かを端的に説明されている。2021/01/02
オルレアンの聖たぬき
1
川中島の戦いがなければ……と思ってしまうが、もはや関東甲信越の歴史の中の必然だったと思ってしまう。2019/05/30
やま
1
川中島の戦いだけでなく、そこまでの経緯や周辺の状況をきめ細かく記述してある。飢饉等が政戦両略に影響したことは漠然と知ってはいたが、本書ではその影響の大きさがわかる。2018/08/16
蛭子戎
1
下巻は川中島の戦いにやっと入るのだけど大激戦になった4回目以外は上杉軍が侵攻してきたけど武田軍が撃退したみたいな数行で終わってしまう。そしてもっぱら時代背景と人間関係や当時の飢饉の話題がメイン。人間があっち行ったりこっち行ったりするので頭がこんがらがるがなんとなく関東甲信越地区の混沌がわかる。2016/05/28