出版社内容情報
慶長年間、日本を脱出してシャムに渡り、アユタヤ王朝を滅ぼして、日本人王国を築き、英雄といわれた長政の、真の姿はどうだったのか。人物研究の第一人者の著者が、新発見の文書も交えて克明に検証し、ついに山田長政の真実の姿を描き出した決定版。
内容説明
慶長17年、関ヶ原合戦が終わり、戦国時代も終わりを告げようとしていた時代。日本を脱出してはるかシャム(タイ)に渡り、アユタヤ王朝のオークヤー、最高位の貴族にまで昇りつめ、ついにはリゴール国の王にまでなった山田長政。彼が異国の地で成功した陰には、どのような秘密が隠されていたのか。長政と同郷の歴史学者が、精魂傾けて追求した真実の姿が、今明らかになる。
目次
第1章 織田信長の末裔と称した長政―謎だらけの少年時代をさぐる
第2章 海外へ出ていった日本人―日本は東南アジアの硝石がほしかった
第3章 駿府豪商の船で密航した長政―長政の渡航は慶長十七年か
第4章 アユタヤ日本人町の頭領となる―発掘されたアユタヤ日本人町
第5章 長政がいたころのアユタヤ王朝―アユタヤ王朝は王位簒奪の歴史であった
第6章 ソングタム王の死とカラホムの暗躍―長政の進言によって王位継承方法がかわる
第7章 王宮で日本人傭兵隊を率いる―相つぐ王の死と陰謀渦まく中で
第8章 リゴール王となった長政―日本人部隊の強さの秘密は「戦国」の経験だった
第9章 その後のアユタヤ日本人町―シャムにおける日本人の光と影
第10章 いま長政はどう評価されるか―「海外へ雄飛した英雄」観からの脱却
著者等紹介
小和田哲男[オワダテツオ]
1944年、静岡県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。静岡大学教授・同教育学部長。文学博士。戦国史をテーマに、雑誌・書籍などで幅広い執筆活動や講演活動をしている
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