内容説明
ドイツ軍参謀本部は、ドイツ統一戦争の勝利によって、政治、経済その他、国の全てを支配するモンスターに成長した。しかもヒトラーの暗殺まで考えるようになった。しかし、ヒトラーの死とともにそのモンスターも滅んだ。ドイツ軍参謀本部は、なぜ、一国を牛耳るほど巨大な力を持つようになったのか。また、なぜ滅ばざるを得なかったのか。その歴史と秘密が、今ここに明らかになる。参謀本部によるヒトラー暗殺計画の真実の記録。
目次
第9章 スフィンクス―ハンス・フォン・ゼークト(1918年~1933年)国軍統帥部と隊務局
第10章 戦争反対のための闘争(1933年~1938年)―ルードヴィッヒ・ベックと参謀本部
第11章 神々の黄昏(1939年~1945年)―第二次世界大戦と旧参謀本部の終焉
著者等紹介
ゲルリッツ,ヴァルター[G¨orlitz,Walter]
1913年、ドイツに生まれる。軍事史家。本書をはじめ、『パウルス元帥伝』『カイテル・犯罪者それとも軍人』『防御戦略・モーデル元帥伝』など、ドイツ国防軍軍人の評伝や帝政ドイツ海軍に関する著作が多数ある。1991年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
9
ヴァイマル共和国における参謀本部の改編から第二次世界大戦における崩壊までを描く。ヴェルサイユ体制において軍備が制限される中、ゼークトの主導により再軍備への道筋がつけられる。その成果は、ヒトラー政権におけるラインラント進駐をはじめとする軍事行動で結実することとなるが、既に崩壊の兆しが見え始めていたことも伺える。2016/06/26
Narr
2
参謀本部に特化してるおかげで、他の二次大戦通読本とは一味違うかと。隊務局の中枢面子が凄すぎ。ロンメルってレアだな、ホント。2010/05/05
札幌近現代史研究所(者。自称)
1
ヴァルター・ゲルリッツによる、ドイツ参謀本部の黎明期からその終焉までを上下巻700ページ近くの大著で描いた力作。過不足ない情報量と平易な訳出で読みやすくドイツ軍事史の巨大機構の歴史を概説レベルでは十分に把握することができる書籍のように思う。ホロコーストや国防軍神話などはほぼ触れられていないのでその方面の知見の蓄積を期待する人には向かないが、それらの背景に人類最大の罪たる第二次世界大戦という巨大で過酷な戦乱が背景にある以上本書程度の軍事史の流れも掴んでおくとよりホロコースト等への理解も深まろう。良書、推薦書2020/02/26
unflyable
0
ドイツ参謀本部のWWI終焉からWWIIのヴァレキューレまで。正直読むのが苦痛で仕方なかった。上巻は許容できたが、事実と意見の書分けが全くできていない上、無駄に気取った文学的表現を使って、各事件の出来事を中途半端に描いていて一々他で調べなければ経緯がよく分からないというのが余計酷くなった。さらに参謀本部の活動というよりは戦史全体の説明ばかりで、戦局にどれだけ参謀本部が貢献できていたのか全く伝わらない。 なぜこれが高く評価されているのか理解できない。2020/09/13
Cinejazz
0
ヒトラ-は国防軍の直接指揮権を掌握、国防軍最高司令部(OKW)を新設し、軍事の素人が直観で作戦を練るようになる。参謀本部でのヒトラ-への反感が高まり暗殺を企てたが失敗、ドイツの敗戦と共に参謀本部は消滅した。2018/02/28
-
- 和書
- 下流の生きざま