内容説明
関ヶ原の合戦から十年が経ち、家康が進める徳川家の城普請に駆り出される西国大名の不満は頂点に達していた。そのさなか、普請を指揮する加藤清正のもとに一人の古老が現われ、清正の本当の父親は豊臣秀吉であると証言する。手の者を使い元織田家臣などから確証を得た清正は徳川討伐を決意し、九度山の真田父子を訪ねた。この筋書きを策した者こそ、己の余命を悟った昌幸であった。清正に天下、三分の計の軍略を説き、幸村は大坂城に後藤又兵衛を入れる。さらに福島正則、長曾我部盛親らと共に西国に拠点を作り、瀬戸内の水軍を押さえた。不穏な動きを察した家康は、十七万の大軍で大坂城へ向かった。果たして真田父子の秘策は家康を討てるのか。
著者等紹介
伊藤浩士[イトウヒロシ]
1956年、名古屋市生まれ。歴史研究会「城友クラブ」を主宰。俳句同人誌「遊魚」編集人。伝統俳句協会会員。『雉』で、第11回歴史群像大賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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