出版社内容情報
寂しい男と女が集う向島区寺島町こと「玉の井」。そこで生まれ育った著者の原風景をもとに、今は薄れ行く昭和の戦前・戦後の下町風俗、人間模様を、甘くも切ない薄暮色のカラーイラストと独特の視点で綴ったエッセイ集。「昭和ベエゴマ奇譚」と合本。
目次
橋
少年キヨシ
やさしいおねえさん
酔いどれ行進曲
トマト少年の頃
昭和ながれ唄
昭和ベエゴマ奇譚
うたかたの酒
論壇登場
桃子雑感・心象風景
泥鰌庵朦朧日記
著者等紹介
滝田ゆう[タキタユウ]
昭和7年3月1日、東京都墨田区東向島(旧表記、向島区寺島町5丁目)に生まれる。本名、滝田祐作。昭和26年、「のらくろ」シリーズなどを描いた田河水泡の内弟子となり、同氏の紹介で、翌27年、「漫画少年」(学童社)の『クイズ漫画』でデビュー。昭和42年より、「月刊ガロ」に作品を発表し始める。ことに同誌の昭和43年12月号より連載された「寺島町奇譚」シリーズは、多くの文化人に絶賛された。折からの青年コミックブームにも乗り、活躍の場を青年コミック誌、文芸誌に広げ、マンガのみならず、イラスト、挿絵、エッセーにチャレンジ、独特の視点で描かれるその内容で多くの読者を魅了。クリクリ坊主に着流しをトレードマークにし、TV界、CM界も注目、クイズ番組などへの出演、CM、CFなどに起用された。昭和57年10月、脳血栓症で倒れたが、左手の麻痺を克服し、イラスト、エッセーなどで変わらぬ活躍ぶりを見せた。平成2年8月25日、肝不全のため逝去。享年58歳。昭和49年第20回文芸春秋漫画賞受賞。昭和62年第16回日本漫画家協会賞大賞受賞。平成2年勲四等瑞宝章受賞。昭和53年きもの普及賞受賞
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