自閉症の才能開発―自閉症と天才をつなぐ環

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784054007796
  • NDC分類 936
  • Cコード C3037

出版社内容情報

自閉症を克服した著者が、自閉症を療育・教育・医療の分野から、又、自閉症者を社会人・職業人の側面から掘り下げる。我々の世界と自閉症者の世界をつなぎ、その特異な心をのぞかせてくれる、「我、自閉症に生まれて」の続編。   

内容説明

本書は、自閉症を療育、教育、医療の分野から、また自閉症者を社会人、職業人の側面から堀り下げ、綿密なリサーチ報告を網羅し、それに対して彼女自身のコメントを加えた専門性の高い著書である。しかし、本書の特徴はグランディン博士の専門分野である動物心理行動と自閉症を、分かりやすく解明した点にある。そして何よりも驚かされるのは、彼女の「命」や「霊魂」に対する、スピリッチュアル(霊的)な概念が語られていることであろう。科学者でありながら、いや、科学者であるからこそ、彼女は地球上の命と宇宙とのかかわりに尊厳を見出し、「霊魂」の存在を信じるようになった経緯を詳述し、形容詞や修飾的な表現をそぎ落とした文体が、彼女の信念を真っ直ぐに伝える効果を添えている。

目次

第1章 絵で考える―自閉症と視覚による思考
第2章 自閉症の範疇―自閉症の診断
第3章 締めつけ機―自閉症者の感覚問題
第4章 共感を学ぶ―情操と自閉症
第5章 社会の現実―私の半生
第6章 生化学を信じて―薬物療法と治療
第7章 デートのデータ―自閉症と人間関係
第8章 牛の目から見た世界―動物の行動との共通点
第9章 アーティストと会計士―動物の思いを理解する
第10章 アインシュタインのまた従姉妹―自閉症と天才をつなぐ環
第11章 天国への階段―宗教と信仰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むっちょむ

9
支援者にとって大事に知識がたくさん詰まってる本。テンプルさんの知識の豊富さに脱帽。自閉症者の独特の感覚、役に立つ薬物、テンプルさんの宗教観等、興味深い内容。テンプルさんの本を読んでいつも思うのは、ご自分の人生にたいし、またご自分の置かれている状況にたいし、いつも真摯に誠実に取り組まれていて、それを分かりやすくこちらに伝えようとしているのを感じ、テンプルさん独特のリズムからテンプルさん流の、ブコツだけどこちらも頑張ろうと思えるエネルギーをもらえる気がします。テンプルさんの宗教観には何故か泣けてきた。2016/03/24

るうるう

4
面白かった。高機能自閉症者の本はこれで3冊目。著者は2人なので彼らが特別だという可能性はあるが、子供のころは言語が不得意だったというわりに素晴らしい内容の本を書いていること、その表現力に驚かされる。著者も「映像で考える」が、動物も映像で考えるかもしれないということ。自閉症は脳の機能障害であり、天賦の才かもしれない。意識は量子力学現象かもしれない。2018/05/02

ひつまぶし

1
自閉症の著者がここまでの自己理解と説明を可能にするまでに、どれだけの思索と知識の渉猟があったのだろうか。あるがままの世界を把握することと、他者を理解すること、そして、自己を理解することを同時に行わなければならず、さらには他者と意思疎通するための言語をたった一人で身につけねばならぬ苦労はいかばかりのものか。著者は絵で考えるという。文章は視覚と切り離された表現のようで、実際には視覚的イメージで埋めている部分もあるのではないだろうか。言語能力が特権的に高く評価される社会は相当に歪んだもののように思える。2022/10/14

newpapa

0
 非常に面白かったし役に立つ本だと思った。自閉症当事者が、自身の自尊心を維持するため自分の能力を見出そうとするその真摯な姿勢に感銘を受けた。どのような状態にあろうと、自分の才能を守るその生きる力が大切なのだと改めて感じた。自分の才能を否定するものがるとすると、一度その対象(学校や支援者)を疑う必要があると感じる。  ただし、ただ疑うだけではだめで、論理的に自分の才能や社会が自分に向ける意見が果たして正しいのかを検証する努力も同時に行わないといけない。そこで初めて、独りよがりでなくなると感じた。2017/10/28

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