出版社内容情報
夏休み、都会に住む小4の陸は、いとこが働く牧場に行くことになる。家族とはなれて、1週間、自然の中での、牛や牧場の人たちとくらす……さあ、どんな体験が待っている!? 陸にはある悩みがあったのだけれど――!?
内容説明
「あしたから、夏休みだろう?うちの牧場に来ない?」遠くはなれた牧場ではたらく、いとこの大ちゃんに、陸は、さそわれました。「大ちゃん。ぼく、行くよ。」自然と、牛たち、そして牧場のあたたかい人たちとすごす、陸の小学四年生の夏が始まります。2~4年生におすすめ。
著者等紹介
堀米薫[ホリゴメカオル]
福島県生まれ。岩手大学大学院修了。宮城県角田市で和牛肥育・水稲・林業を専業で営みながら、児童文学やエッセイを執筆。日本児童文芸家協会会員。第41回児童文芸新人賞『チョコレートと青い空』(そうえん社)、第2回児童ペン大賞『あきらめないことにしたの』(新日本出版社)他、作品多数
pon‐marsh[PONMARSH]
装画や挿絵、CDジャケットのイラストなどで活動中。一枚の中に物語を感じる絵に定評がある。カバー、表紙、挿絵作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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りらこ
26
少し羨ましい設定。 夏休み、従兄弟が働く牧場で過ごす機会を得る主人公。 しかしその胸には少しだけ曇ったものがもやもや。 でも牛たちの世話をしている中で、彼らの姿からさまざまものを学んでいく。 そして自分のフィールドに帰ってからその抱えていたもやもやを、きっちりと解消させている様は、爽やか。 何よりも驚いたのは、牛たちの集団生活にも社会性が存在しているということ。全くそういうことを知らなかったので、ストーリーにも大切な部分ではあるけれども、自分としても興味深かった。 2021/06/11
izw
4
小学4年生の陸が12歳年上のいとこが働く東北の牧場で1週間過ごす。牛の世話をする中で、生き方・考え方を見直し大きく成長する。迷っていた友だち関係も勇気を出して修復する。黒毛和牛を飼育している著者の体験に裏打ちされた、さわやかでストレートな物語である。2021/11/28
vodka
3
作者の堀込さん自身も牛を飼育していらっしゃるとの事、描写に牛への愛を感じます。ストーリーは岩手の酪農家を舞台にした小学校4年生の男の子のひと夏の成長物語。なかなかこんな豊かな自然に触れる機会はリアルでは少なくなっている中、描写だけでも清々しく感じます。2022/03/27
ムーミンまま
3
とにかく爽やか!これぞ児童書!文字量もそれほど多くなくて本が苦手な中学年の子にも勧めやすい。牧場、大変なことも多いんだろうけど、良いなぁ〜。2021/07/03
yumicomachi
2
都会に住む小学校四年生の陸は、夏休みに岩手の牧場で七日間を過ごすことになる。滞在先には十二歳年上のいとこである大ちゃん、牧場主の工藤和夫さんとさゆりさん、その娘で陸と同い年のまりん、そして牛たち。絵が好きで画家になる夢を持っているまりんと共に牛たちの世話をする日々を通して、陸は、いのちのはかなさとたくましさを学び、抱えていた問題に立ち向かう勇気を手に入れる。作者自身も宮城県で黒毛和牛を飼育する農家だというだけあって、牧場の描写がリアルで生き生きしている。生きる喜びが伝わる爽やかな物語。2021年5月刊行。2022/04/28