出版社内容情報
それぞれの理由で山村留学することになった3人の子どもたちの、けんかあり、友情あり、冒険あり、なみだありの物語。現地の子どもたちとのできごとを通して、それぞれ3人は成長していく。第13回「小川未明文学賞」大賞受賞作品。
内容説明
この夏、山村留学に参加したのは、ぼくたち三人だけだった。ぼくのほかには、ものすごい太っちょの友一と、だれとも口をきかない有里と―。ぼくたちを乗せたマイクロバスは、どんどん山奥へと進んでいく。けんかあり、友情あり、冒険あり、なみだあり、の物語。小学校中学年から。小川未明文学賞第13回大賞受賞作品。
著者等紹介
中山聖子[ナカヤマセイコ]
1967年、山口県生まれ。主婦歴10年、2児の母。2000年アンデルセンのメルヘン大賞入賞、’04年椋鳩十記念伊那谷童話賞準大賞、’05年ゆきのまち幻想文学賞大賞などを受賞。現在山口県宇部市在住。『三人だけの山村留学』で、第13回小川未明文学賞大賞受賞
うめだふじお[ウメダフジオ]
1946年、群馬県生まれ。商業デザインの仕事を経て漫画・イラストなどを描くようになった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イチイ
12
不本意ながら山口県の山村で夏休みを過ごすこととなった小学生の男の子が、新たに出会ったひとたちとの交流を通し成長していく様子を描いた児童向けの小説。一緒に山村留学に参加した、一言も話さない女の子の過去をめぐる話が中心に描かれる。イラストの雰囲気もあっていまいち垢抜けない印象が強い。認知症らしいおばあさんが、原爆で幼くして亡くした娘の名前を呼び続けるというエピソードが印象的だった。2020/09/01
火星人碧
1
都会の子供たちが田舎にゆく、そういう児童文学はたくさんある。そして子供たちは自然やそこに暮らす人たちと触れ合ううちに何かを見つけたり覚えたりして短期間に成長を見せるのだ。ワンパターンと言えば言えるが、だからこど物語にスッと入り込めるし、読者になった子供たちにはとても分かり易い。ストレートに感じるところもあるだろう。ここでは有里という女の子の存在感がストーリーが進むにつれクローズアップされてくる工夫がある。当初は男の子主導で始まる物語の真ん中に、いつの間にか有里がいる。そのように書かれた物語だ。2021/05/14
ゆうわか
1
枯れたみたいに見える花でも、花の根っこや種にはちゃんと力がある。雪の下で春が来るのをじいっと待って、あったかくなったら芽を出すし、花も咲かせる。その子だって、同じじゃないか?2017/10/18
森乃あさ
1
子どもたちの山村での過ごし方、会話が生き生きと 書かれ、リアリティがある。 あるある話だからこそ、小学生の読者には共感 できることが多いと思う。 2014/01/21
芦屋和音
1
第13回「小川未明文学賞」大賞受賞作品。2012/09/16