内容説明
アール・デコはパリで始まった。ポワレやシャネルのモード革命は、社会に進出する女性に圧倒的に歓迎され、この時代のパリは最も活気にあふれ、洗練された都市になった。その中から幾何学形を組み合わせたシャープな形と赤、黒、金など明快な色彩を特徴とするアール・デコが誕生した。本巻はエレガントでシックな本場パリのアール・デコの魅力をたっぷりと紹介する。
目次
エレガンスの終着点
モダンの幕開け
パリ・モードの開花
グラフィックの黄金時代
建築のエコール・ド・パリ
近代化するパリと変貌するアール・デコ
アール・デコと共に
アール・デコ時代の女性群像
20年代のパリの画家たち
20年代の演劇とその周辺
浜中勝―日本からきた漆のデザイナー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
336
さまざまなジャンルからパリのアール・デコを紹介、解説する。「アール・デコは18世紀趣味の近代化であり、またアール・ヌーヴォーの過度に強調された曲線をすっきりしたものに革新する」ことで「初期の装飾的アール・デコのエレガンスの世界が成立した」とされる。わかりやすい解説かと思う。リュリマンの調度品、シパリュスの実にエレガントな彫刻、マルティの風俗画。このあたりは実用の美と芸術の境界に位置し、また逆に言うと芸術にまでは昇華しきれないのではないかと思わせる。もう一歩進んだのがタマラ・ド・レンピッカのパリモダンか。 2022/12/14