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出版社内容情報
笑ったら死ぬ君と、君を笑わせたい僕。
半人前の魔法使いである大学生の夏希は、決して笑わない同級生・更紗と出会う。彼女の笑顔を見たいと思った夏希は今まで忌避してきた魔法に向き合い更紗に披露するが、彼女には“笑えない”切ない理由があった――。
●喜友名トト:沖縄県在住。
おもな著作に『僕は僕の書いた小説を知らない』 (双葉文庫) や、『リバーシブル・ラブ―初恋解離― 』(LINE文庫) などがある。
内容説明
とある事情により、本心を隠して周囲の人気者を演じていた大学生の夏希。その彼に容赦ない言葉を投げたのは、常に無表情で笑顔を見せない少女、更紗だった。夏希は更紗に興味を持ち、なんとか笑わせようとする中、次第に彼女に惹かれていく。だが、彼女が“笑えない”ことには理由があった―「私、笑ったら死ぬの」明かされる残酷な真実の前に、夏希が出した答えとは?想像を超える結末は、読む人すべての胸を熱くする。
著者等紹介
喜友名トト[キユナトト]
小説家。2014年「悪の組織の求人広告」シリーズ(MFブックス)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです
27
《あらすじ・感想》ある時から本心を隠して生きるようになった一人の大学生と常に無表情で笑顔を見せることなく生活している彼女の世界で一番儚く美しく感動的な殺人物語。魔法使いの大学生は彼女を笑わせようと試みるものの彼女の笑顔を見せない理由はあまりにも切ないものだった__。とても感動した。なんとなく展開はよめるけれど、最後はとても焦ってしまう。あらすじで前述した通りまさに、感動的な殺人だ。美しい話だったので読了後の満足感がたまらない。是非一度読んでみてはどうでしょうか?2022/12/16
わゆ
21
半人前の魔法使いである主人公が、ある時大学で出会った女の子を笑わせようとする1冊完結の物語。本文庫らしい、軽すぎず重すぎない、読みやすい文体で描かれている本作。会話の分量も地の文の丁寧さも丁度良く、するすると物語に没入することができた。ヒロインの女の子は全く笑わないのに、主人公の目線を通して微妙な変化を発露する。その繊細さと真っすぐさが非常に魅力的で、私の好きなヒロイン像だった。描かれるのは誰かが誰かの幸せと望む気持ち、その力。最後まで一貫したテーマで描かれる本作は力強く、感動を得られた。素晴らしかった。2022/08/24
かもめ通信
18
夏の名残の #カドブン夏フェア2022 某サイトの読書会に参加して、カドブンさんにリクエストしていただいた本。このタイトルからこの中身は想像できなかったよ。いろいろとしてやられた感で一杯だ。やっぱり若者文化もあなどれませんな……ヨボヨボ。2022/10/17
稲荷
18
『どうか、彼女が死にますように』という言葉に隠された優しさが伝わってきた。個人的には、後半にもう少し衝撃のある展開がほしかったけど、すっきり読める作品だった。2021/04/26
なみ
18
周りに合わせて生きてきた魔法使いの少年、夏希と、絶対に笑わない少女、更紗のボーイミーツガール。 更紗を笑わせるため、夏希の中で何かが変わり始めて──。 誰かを幸せにしたい思いが、素敵な魔法になる。 最後に起きた奇跡に、胸が熱くなりました。2021/04/06