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内容説明
いきなり身内話になるが、妹の檸檬はとんでもないことを言い出す天才だ。だからある日の朝に興奮した顔で妙なことを言い出した時も、『ああ、またか』くらいの気持ちで聞いていた。妹曰く―「あたし、異世界のお姫さまだったみたい!」、なのだとか。封印されていた力が覚醒した妹は、国際会議に乗り込みドラゴンを召喚して政府高官たちを震え上がらせ、さくっと世界各国の軍事施設を掌握し―あっという間に世界の頂点に君臨してしまった。世界を征服した妹の兄である俺はというと、日本政府に泣きつかれ、妹の制御(ご機嫌取り)を頼まれたのだった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真白優樹
9
ある日突然、異世界の姫としての力を目覚めさせ世界を征服してしまった妹に、兄が振り回されながらも機嫌を取っていく物語。―――世界の行方はその手の中に。だから今日も妹を怒る。 世界の命運を決めるのは兄妹の生活であり、兄妹の絆。どんなに強大な力を手に入れても、いつも通りな日常を。そう言わんばかりに、ちょっぴりファンタジーな中に普通の日常の面白さと尊さが溢れている物語であり、確かな家族の絆と愛を感じさせてくれる物語である。果たして、彼等の日常はこれから先どんな方向へ往くのか。 次巻もあるなら楽しみである。2020/09/11
T
8
桜咲太一には、とんでもないことを言い出す義妹・檸檬がいる。ある日、実は異世界の姫で魔法が使えるらしいと分かった檸檬は、国際会議に乱入し、あっという間に世界の頂点に立ってしまった。強大な力を恐れた日本政府からは、兄である太一に檸檬の制御を頼む。暴走する妹が兄を振り回すドタバタ兄妹コメディ開幕。突如魔法が使えるようになった檸檬の予想外な行動とそれに振り回される太一のやり取りは勿論、檸檬の親友や幼馴染み、政府から派遣されてきた家政婦といった周囲の人物たちとのやり取りも面白かったです。2020/09/20
リク@ぼっち党員
7
世界征服できるほどの力を持って調子に乗る妹と、それを窘める兄の話。世界征服と言ってもレフトノベルなわけではなく、中学生らしい正義への憧れが大部分なので悪の要素はない。やってることはすごいけど、妹の態度が小物なのと、兄がしっかりストッパーしているので微笑ましく読める。あくまで家族が軸なのも規模が大きくなりすぎなくて良かったと思う。まあ、中学生くらいじゃ世界なんて家族と友達で完結してるものだからね。甘やかすだけでも厳しくするだけでもない、妹が力を手にしても態度を変えない。頼れるお兄ちゃんがいて檸檬は幸せ者だ。2020/09/12
alleine05
5
面白かった。血のつながらない義理の妹設定だけどラブコメになるのでなく、あくまで家族としての距離感なのがいいね。妹もうっかりなところがあってやらかしたりもするけど、まったくの考え無しというわけでもなくちゃんとこの子なりに思うところがあっての行動なのが良かった。この手のキャラは下手するとお話だと分かっていても鬱陶しく感じられて受け入れられない場合もあったりするし。その点、この作品の妹は許容範囲内。続きは出れば読んでみようと思うだろうけど、この一冊できれいにまとまっているし、あってもなくてもどちらでもいいかな。2020/12/09
熱東風(あちこち)
5
中々に面白かった。/年頃の妹が兄に頭が上がらないという珍しい設定が良い。主人公が檸檬の兄としての役割のみならず、親代わりにきちんと叱ることができるのは立派だと思う。ただ、他の読者諸氏のご指摘もある通り、年上である白木氏に対するあの偉そうな口の利き方だけは不快。/ストーリー的には異世界と現実世界のギャップもので途中までは面白かったのだけど、妹タワーでのバトルがやや退屈に感じた。その後の兄妹のやり取りは良かったけど。/続編あるなら、是非のりちゃんや加奈ちゃんとのラブコメ成分を多めにお願いしたいなぁ。2020/09/27