内容説明
オレンジ色のソフトドリンク“Kwench!”が、発売と同時に大ブレイク!店はオレンジ髪の熱狂的ファンで大盛況、メーカーもウハウハ。大成功の秘密はなんといっても脳に直接作用する“サブリミナル”を使ったマーケティング戦略!えっ、でもそれってかなりヤバくない?…案の定、マスコミは動き出すし、死人まで出ちゃったりなんかして、発案者のジミー君はもう心臓バクバク。オレの将来どうなるの―ってそうゆう問題か!?80年代終盤のロンドンを舞台に描くスタイリッシュ・ノヴェルの大傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
6
米国からイギリスへのソフト飲料のキャンペーンにサブリミナル効果が極秘に実施され、印象的な効果をあげる。 しかしそのキャンペーンは不法でもあることから、裏で大仕掛けの動きがひろがる。 そのストーリーの意外性は、わたしたちの住んでいる世界の意外性であり、その周辺人物まで丁寧に書き込まれ、リアルであることもふくめて、良質のサスペンスが抱える豊穣さがあますことなく語られる。 ということで、わたしはおおいに感心したのであるが、ニホンの出版界ではあまり相手にされていないことに少なからぬ不満を抱く。 2018/09/03