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内容説明
音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は竜が破壊の限りを尽くした―と思える程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を、半ば強引に響介へ押し付けてきて―!?竜ヶ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』を舞台に贈る、音楽とそれを愛する人々の物語。
著者等紹介
美奈川護[ミナガワマモル]
都内在住の会社員。第16回電撃小説大賞“金賞”受賞作『ヴァンダル画廊街の奇跡』(電撃文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
76
商店街の有志で結成されたオーケストラ、通称「ドラフィル」。コンマスとして参加した響介は、車椅子の指揮者・七緒に振り回されながらオケのメンバー達に溶け込んでいく。七緒の過去というミステリーを縦軸に、ひと癖ある団員達のお悩み解決に奔走する日々。各章ごとに奏でられる曲がみんな好きなものばかりで嬉しくなる。七緒の乱暴な言葉遣いが気になるけど、演奏シーンには胸が熱くなった。 2020/09/08
papako
63
ちょっと気になってて、電子書籍のセールで。なんか怒涛の物語だった。アマオケの話ってことで、もっと音楽で右往左往するのかと思ったら、メンバーの悩みを解決するお話でした。子供の頃のコンクールの話がどこに着地するのかと思ったら、やはり!そうですよね。このまま恋までいくのかしら?ちょっと荒くれたセリフは好みじゃないけど、軽く楽しめる。さて、物語はどんな着地を読ませてくれるのかしら。2018/11/21
dr2006
61
竜ヶ坂商店街のドラゴンとフィルハーモニー略してドラフィル。数年前まで音大があり音楽に造詣が深い郊外の町にできたオケだ。音楽に行き詰まりを感じていた主人公ヴァイオリニストの響介は、楽器商の叔父の勧めでこのオケの3代目コンマスに就任する。響介も含めメンバーは仕事の傍らオケに参加しているが、楽器と人物と生業の組み合わせが織りなすキャラはどれも個性的で面白く、音楽物ありがちなかた苦しさがない。響介とオケを牽引することとなった車椅子の女性七緒の指揮は天才的だが、隠された秘密があった。全3巻一気に読みたいと思う。2020/08/10
nins
60
爽やかで気持ち良い作品。音大を卒業したものの何もない毎日を送っていた藤間響介にコンサートマスターを探しているという話が舞い込む。訪ねた先にあったのは竜ヶ坂商店街フィルハーモニー略してドラフィル。商店街の面々が参加のアマチュアオーケストラ。そこで出会った車椅子に乗った少女、七緒。そんなアマチュアオーケストラのメンバー達のかかえる悩みや問題に関わり奮闘していく。人情ドラマを挟みつつ成長していくドラフィル。後半の演奏、鳴り響くオーケストラの描写が素敵。今日はニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲を聴こう。2012/12/10
五右衛門
53
先日本屋大賞をとった作品も音楽関係でしたがこの作品も少なからず音楽が聞こえてくるようでした。オーケストラがより聞きたくなる作品でした。2017/04/14