内容説明
栄華をきわめたオーストリア帝国が、最後の輝きをはなっていた十九世紀後半。田舎育ちで自由奔放な公爵令嬢エリザベート(シシー)は、皇帝フランツ・ヨーゼフの妃として、華麗なるハプスブルク家の帝室に迎えられた。これが波瀾の人生の幕開けになろうとは、彼女にも予想すらつかなかった。今日でもなお根強い人気の「さすらいの皇妃」シシー。その若き日々の素顔に迫る感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
14
今年にあるはずだったミュージカル「エリザベート」が無くなったので…どんな話か知る為に読みました。かなり昔に読んでいたはずなのだけど、興味の有無の差かサッパリ覚えていませんでした。少し前に漫画版を読んでいた事もあり、話の内容はスムーズに入ってきました。この頃は家柄や格式張った事、上流階級になればなるほど自由とは縁がなかったのですね。成人してない女の子が沢山の重圧を背負っていたというのは、本当にすごい時代だと思います。2020/09/12
まめねこ
8
悲劇に見えてしまった。エリザベートが皇妃には向かないと分かりながら、どうして16歳と言う若さで皇妃にしてしまったのか。エリザベート本人の自覚や性格にも問題はたくさんあるが、フランツは甘やかしすぎで、ソフィーは厳しすぎで、孤立無援で教育を押し付けて、勝気な少女がまともに育つ訳がないと思ってしまった。エリザベートが歳を重ねても自覚や責任を持たずに自由に生きるのは、我儘な気がした。相手を選べない時代の結婚って、自分には想像出来ない辛さと厳しさがあると思うが、その中で自由でいたエリザベートはある意味凄いと思った。2017/02/21
kaizen@名古屋de朝活読書会
8
訳者の西川さんは、従来なじみのない読み物ジャンルだったの事。 それだから,一生懸命努力された後がある。 史実から大きくかけはなれたと感じた一部は削除されたとのこと。 その後、エリザベートものを多数訳されていることからも、 この仕事が評価されたものだと思われます。 一連のエリザベートものを読むきっかけになればと思います。 オーストリアは一度訪問したことがあります。 本書を読んでからいけばよかったと思いました。 エリザベートの安楽の地がなぜウィーンにはなかったのだろうかと考える為に。2010/05/07
ちいちゃん
6
宝塚歌劇団の『エリザベート』を昨年末に観劇し、エリザベートという人に惹かれ手に取った本。宝塚の舞台を観てからだったので、大体の内容は頭に入っていたためか、それを補填していく感じで、するすると入ってきた。まだ30歳辺りまでの話で終わってしまっているため、後半も読みたい。エリザベートは、非常に聡明で美しく、現代であれば、アフター5を大事にするタイプの女性かな?と思った。まあ、私もそうですが。。。2019/02/24
あこ
6
ミュージカル「エリザベート」が好きなので手に取ってみたら、ミュージカルで観ていたシシィよりもずっと明るくて死が付き纏うような人には思えませんでした。フランツヨーゼフとも意外と仲良かったんだなぁとかゾフィーにもちょっとは優しいとこあるんだなとか、これから舞台観るにあたっても少し見方が変わりそうです。 それにしてもこの帝国主義の時代にこれだけリベラルな考えを持つ若干17歳(私より全然年下)の皇妃ってすごい…たしかに我が強すぎるのもわがままなのも否めないけど個人的には憎めない魅力的な女性だと感じました。2018/07/17