出版社内容情報
幼稚園の七夕祭りで初めて笹飾りを目にしたとき、未知の甘く哀しい感覚が胸を打ったことを覚えている。歌集名の「うすがみの銀河」は、僕の詩の原風景の一つとして、ささやかな記念にこの語を選んだ。
目次
1(白馬のように;Summertime ほか)
2(初夏の教室;六畳の帆船 ほか)
3(火盗;浜風とオカリナ ほか)
4(夜行と螢;石巻 ほか)
5(お辰宗旦;椿の小粥 ほか)
著者等紹介
鈴木加成太[スズキカナタ]
1993年愛知県瀬戸市生まれ。大学在学中は大阪大学短歌会で活動。2015年「革靴とスニーカー」五十首により第六十一回角川短歌賞受賞。2018年大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了、専攻は日本近世文学。現在「かりん」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だいだい(橙)
13
前半は若い人らしい素直さ、自由な発想で学生時代の日常を軽やかに詠んでいる。現代口語を用いてわかりやすく、親しみやすく、とてもよかった。この調子で最後まで行くのかな?と思いきや、三章から様子が少し変わって、感情を少し交えて文学的になり、四章と五章ではがらっと変わって文語を使った格調の高い詠み方になる。そして内容も濃くなり、大人っぽい。一人の作者がこんなにいろいろな顔を見せるって、一冊でこんなに贅沢な経験ができるって、お買い得だと思う。とにかく上手いし、内容も年齢以上に成熟している感じで、好きだ。おすすめ。2023/02/09
うじ
2
冬の薔薇浸せる水がうっすらとオフェリアの太陽にちかづく/少女、少女ととけあう昼をアトリエに蝶より杳きもの通うかな/うさぎの眼朱く点りて春雷のり死よりとほくの野を知らずゐる 良かったです2023/03/13