出版社内容情報
過不足のない言葉で、現実を的確に切り取った短歌。なにげない表現ながら中津昌子にしか選べない言葉の選択が冴えわたる。こんなにも複雑な日常。抒情はおさえればおさえるほどに透き通る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
19
尊敬する短歌同好の友人からお借りした本。たぶん今は書店流通には乗っておらず、入手困難と思われる。著者は1955年生まれ。かりん所属。おそらく京都にお住まいで、京都の地名や一時住んだアメリカや旅行したイタリアの地名などの固有名詞が効いている。本のタイトルなどがたまに詠まれるのも良い。個人的にはお父様やお母様を詠んだ作品が好きです。お借りした友人は、とても静かで端正な短歌を詠まれる方なのだけど、良い歌集とは繰り返し読みたくなる歌集という持論をお持ちで、なるほど友人が繰り返し読みたくなる、静かで品格のある歌集。2024/11/29
-
- 和書
- いも殿さま 角川文庫