出版社内容情報
歴代の神々や天皇の色恋、武勇伝を、作家・阿刀田高が人間的に且つユーモラスに「古事記」に読み解く一冊。神話の地を訪ね歩き、独自の視点で伝説をとらえた本格的日本古典教養書。
内容説明
嫉妬深くておんな好き、だだっ子で暴れん坊。神様は、こんな人間的だった。イザナギ・イザナミの国造り、アマテラスの岩隠れ、八俣の大蛇、因幡の白兎。古代、神々が高天原に集い、闘い、戯れていた頃―。史料をもとに伝説の地を訪ね、物語のあとを辿った著者が神々と歴代の天皇の、奇抜で人間的な武勇伝や色恋をみずみずしく、且つユーモアたっぷりに描く。
目次
国の始まり―イザナギ・イザナミによる建国
岩戸の舞―アマテラス大御神、岩戸に隠れる
神々の恋―八俣の大蛇退治と因幡の白兎
領土問題―オオクニヌシの治世
山彦海彦―兄弟の争い
まぼろしの船出―神武天皇の東征
辛酉にご用心―崇神・垂仁天皇の治世
悲劇の人―ヤマトタケル伝説
皇后は戦う―仲哀・応神天皇の治世
煙立つ見ゆ―仁徳天皇の権勢〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ@いつも心に太陽を!
18
【図書館にて】読みやすかったぁ♪失礼ながら、人間味溢れた神様たちにふふっと笑ってしまった(*^∨^*)本当に日本は面白くて素敵な国だなぁと思う。気長に古事記に描かれた神話が伝わる場所を訪ねていけたらいいな。仕事とか旅行でそばまで行ったら立ち寄る、みたいにね。そしてやっぱり、古事記は前半あたりが断然面白い!と思ったのでした☆2011/05/22
にゃも
12
軽妙洒脱という言葉がぴったりな、古事記についての実に楽しいエッセイでした。上巻だけでなく、ちゃんと中下巻まで取り上げてくれているところも嬉しいです。これで歴代天皇の漢風と和風の諡号が併記された票でもあれば完璧なのに…と思っておりましたら、ありましたよ、最後に。さすがですね。ますます古事記関連本への食指が動きます。2019/07/26
calaf
12
ジンム、スイゼイ、アンネイ、イトク、コウショウ、コウアン、コウレイ、コウゲン、カイカ、スイジン、……そうか、戦前の人は昭和まで全て暗唱できたのか...そういえば、広辞苑の後ろに載っていたのを思い出しました。神話から現実の天皇家への橋渡しの書。話の捏造が必要な時代だったのだなぁ...2012/10/21
りっとう ゆき
9
復習として。阿刀田氏の紀行や私感も書かれてておもしろい。本文読んだときのなにこれ?ってとこをツッコんでくれててよい。あと、物語としておもしろくないとこはすーっと飛ばしてある笑2022/07/30
月夜
7
神話は楽しくわかりやすく読めました。 私も 出雲や高千穂に一人旅したい。ところで この名前 イザナギ スサノウ トヨミケカシキヤヒメ などのつけ方は 日本のものなのか? どこかの大陸にこういう名前の付け方の国 か 当時の文化があってそこから入ったものではないのか?女性にもちゃんと名前がある。だとすると 初期の日本にかかわっていた国はどこなのか?平安時代には女は名前を持たないでしょう?途中からそのことばかり気になってきた。阿刀田さんは そのことに触れない・・・2014/08/03