出版社内容情報
ある自治体の新しい政策が他の自治体に広く採用されていく作用は「政策波及」として知られているが、逆に様子見をする「負の政策波及」も生じうる。各自治体における障害者差別解消条例とホームレス支援政策の展開過程を分析し、政策波及論に新たな展開を提示する。
内容説明
「政策形成先送り」の構造、そして対処法とは。「他の自治体が新しい政策を採用しているから」という理由でその政策が広く採用されていく作用は「政策波及」として知られているが、理論的にはその政策が広まりつつあるからこそ様子見をする「負の政策波及」も生じうる。そのような作用が生じている証拠は現実社会において見つかるのか。本書は、各自治体における障害者差別解消条例とホームレス支援政策の策定過程を多様な手法で追うことで、政策波及論に新たな展開を提示する。
目次
政策波及論が見落としてきたもの
第1部 「負の政策波及」論(正の政策波及と「負の政策波及」)
第2部 スピルオーバーによる抑制の証拠―障害者差別解消条例(歴史とデータ―誰がいつどんな条例を制定したか;比較事例研究―条例制定の現場で何が起きていたか;議会会議録の分析―どの自治体が何を参照していたか)
第3部 リソース・フローによる抑制の証拠―ホームレス支援政策(歴史とデータ―ホームレス支援政策と「福祉の磁石」の真偽;比較事例研究―誰が「福祉の磁石」を警戒したか;議会会議録の分析―「福祉の磁石」はいかに議論されたか)
それは誰のための抑制か
著者等紹介
白取耕一郎[シラトリコウイチロウ]
1981年北海道札幌市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。一般財団法人行政管理研究センター研究員、東京大学未来ビジョン研究センター特任研究員、環太平洋大学経済経営学部講師を経て、大谷大学社会学部コミュニティデザイン学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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