内容説明
洗練されたユーモア。燻銀のダンディズム。「重厚」を嗤い、シャープな「軽薄」をよしとする。ほんものの、人生論。
目次
重厚と軽薄
なんのせいか
コワモテ風の姿勢を排す
ハッスルということ
好き嫌い
戦中少数派の発言
男女同権
緑色の自動車
女と靴下
日本の男たち
一夫一婦制について
男の虚栄〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みどり
18
譲ってもらった本。後ろに本の値段が書いてあったのだけれど、160円だった。いい時代だったのか物価が安かったのか。吉行淳之介というと、吉行和子のお兄さんで、なかなか扇情的な小説を書く人というイメージだった。実際感じたところはちょっと違って、わたしにはかわいらしい人のように思えた。「月末になって給料袋を開いてみると、予想していたよりも、かなら少額だった。私は腹を立てて、その全額を投じて香水を買い、女の子にやってしまった。」というエピソード、なんとも愛おしい。吉行さんの新しい一面が知ることのできる本だった。2018/06/15